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クソエイム

by 唐草 [2020/07/17]



 ここ2週間ほど『Fallout 76』の『Nuclear Winter』モードで遊ぶ時間が増えている。PUBG系の徐々にエリアが狭まっていくPvPバトルロイヤルで、毎回展開が読めずにハラハラドキドキしてしまうスリリングなゲームモードだ。滅多に勝てないけど(勝率1%台)、トップ10まで生き残るだけでも大きな満足感を得られる。
 前のめりに熱中してしまいがちなゲームモードだけれども、長らく距離を置いていた。夢中になりすぎて肩や腰が凝ってしまうからだ。腰を守るためにももう2度と遊ばないと考えていたが、デイリーボーナス欲しさに再開してしまった。
 半年以上のブランクがあったものの以前と大差なく遊べている。バトルロイヤルなのにひたすらに隠れつづけるという戦略は今でも通用するようだ。あまりにもチキンな振る舞いにチームメイトからサムズダウンのエモートを投げつけられれても気にしない。勇敢に戦って華々しく散るよりも、泥水をすすってでも生き残ったほうが勝利に近づけるのだ。
 ぼくが隠密戦略を取っているのには、いくつか理由がある。かくれんぼのほうが銃撃戦よりドキドキできるというのが最大の理由だ。バリバリに武装した他プレーヤーが、ぼくの隠れる茂みの脇を通過していったときなんかは最高だ。だが、残念なことにぼくの好みだけが隠密スタイルを決定づけた訳ではない。
 もうひとつの理由は、悲しくも現実的である。ぼくがクソエイムでトリガーハッピーだからだ。いくら打っても弾が当たらないのである。あまりの命中精度の低さに戦う相手の方が驚いてしまうほどだろう。だからネズミのように逃げて隠れて息を殺している方が、ずっと良い結果につながるのである。
 そんなぼくでも、極稀に覚醒することがある。昨日がちょうどそんな日だった。
 いつものように画面中央のクロスヘアを見失って銃を連射しているだけなのに、どういうわけか弾が吸い込まれるように敵に命中した。グレネードを適当に放り投げれば、着弾点に人が寄ってくる。普段のあまりにも酷い振る舞いが目に余ったのか、お情けで強力なエイムアシストを有効にしてもらえたとしか思えない。
 だが、それに気を良くするほどぼくは自分を過信していない。今日も息を殺して茂みに潜むつもりである。