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買い占めた

by 唐草 [2020/07/28]



 スーパーで買物をしていると他人の買い物カゴの様子から自分と接点のない人々の暮らしを垣間見ることができる。ときに自分とは全く異なる生活様式の人がいることをうかがい知ることもある。そこに驚きを感じることさえある。果たしてその驚きは、誰にとっても驚くべきことだったのだろうか?もしかしたら、ぼくが常識だと思っていることのほうが偏見の塊だって可能性もある。
 ぼくが他の人の買い物カゴを見て目を丸くしているのと同じように、別の誰かはぼくの買い物カゴを見て眉をひそめているかもしれない。人々の生活様式なんてものは十人十色である。何がスタンダードで、なにがスペシャルかなんてことは、個人の主観で判断できるものでもないし、判断すべきことでもないのかもしれない。
 できる限り中庸であろうとしているぼくだが、それでも言わせて欲しい。「今日見た買い物カゴは理解を超えていた」と。
 家庭によっては毎日買い物に出ることができないので、まとめ買いをすることは珍しくない。以前、売り場に残っていた牛乳9本を目の前ですべて買われてしまって悔しい想いをしたことがある。ぼくの基準からすると賞味期限内に9リットルもの牛乳を飲み干すのは不可能な行為だ。だが、大家族なら1週間で9リットルの消費なんて朝飯前だろう。
 今日もある商品の買い占めを目にした。商品を手に取っていたのはクールビズスタイルの男性。いかにも営業でもやっていそうなサラリーマンという風貌だ。何やら通話をしながら商品を探しているようだった。当然、これだけでは記憶に残るはずもない。
 同じ商品を次々に買い物カゴへと放り込んでいく姿を目にして、その印象は一変した。その姿は、ぼくの脳裏にこびり付いてしまった。
 またひとつ、またひとつと味噌を買い物カゴに入れていた。ぼくは、その姿をぽかんと口を開けながら眺めてしまった。最終的に750gのパック入り味噌を8個も買っていた。電話口に軽口を叩くような口調で「買い占めた」と言っていたが、在庫がもっとあったら更に買っていたのだろうか?
 そんな大量の味噌を何に使うのだろう?例年だったら会社のイベントで使う可能性も考えられるが、今年は違うだろう。飲食店の経営者にも見えない。
 味噌の行方が気になってしまって仕方がない。