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ローストビーフ丼

by 唐草 [2020/09/09]



 昨年末ぐらいにローストビーフ丼をもてはやしていた時期があった。閉塞感に覆われていた丼業界に颯爽と現れた洋風のニューカマー。丼の上にうず高く盛り付けられた低温調理の赤いジューシーそうな肉は、いままで見たこと無いほど豪華に見えた。写真への映えを第一とする現代人の承認欲求と純粋な食欲が生み出した新たなメニューと言えそうだ。ついに長らく続いてきた鰻丼を頂点とする丼物ヒエラルキーに大きな風穴が開くかもしれない。
 誰かが必死に流行の神輿を担いでいる感じがしたが、確かに見た目は美味しそう。真似しやすいせいか販売している店もそれなりにあったよ。局所的ブームの枠は超えていたと言ってもいい感じは伝わっていた。
 でも、ぼくは食べてなかった。流行りものを出すような店へ行くことがなかったのも大きいが、ネットのレビューに気になることが書かれていたからだ。
 「ローストビースは、ご飯のおかずにはならない」というストレートな意見。「まずい」「うまい」の話ではなく相性の問題だと語られていた。なんとなく分かる気がする。白い米はどんな食べ物でも受け入れてくれる包容力を持っていそうだが、それは醤油が仲を取り持ってくれるからに他ならない。唐揚げ丼はOKでも、フライドチキン丼はダメだと思う。
 とは言え、盲目的にネットの批判意見を受け入れるのは、ステマに踊らされることの鏡写しでしかない。真実を知るには、自分で食べてみて判断するのが一番。だから一度は食べてみたいと思っていたけれど、コロナのせいでブームに乗れなかった。
 ところが、今日ローストビーフライス弁当をおごってもらえるチャンスに恵まれた。こんな高い弁当は自分じゃ絶対に買わない。奢りだからこそ実現した実食の機会である。
 ガーリックたっぷりのガーリックライスの上にローストビーフが乗った弁当は美味しかった。でも、それはあくまでパンチの効いたガーリックライスとジューシーなローストビーフがそれぞれ美味しかったというだけの話。これは、うな丼を食べて蒲焼きとタレご飯がそれぞれ美味しいと言っているようなもの。
 ネットの評判の通りご飯(それは洋風のガーリックライスだとしても)とローストビーフの親和性は低い。別々に食べたほうが、もっと満足できそう。