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必要悪のまとめ

by 唐草 [2020/10/10]



 深刻なネット中毒患者のぼくは、ゲームのロード時間でさえタブレットに手を伸ばしてしまう。片時も離さずにネットを見ているが、見たい情報があるわけでもない。ネット漬けの毎日を送っている内に、何もせずに待っていることへの耐性が極端に落ちてしまったように感じる。
 それは口さみしいときにアメやガムを求めるのに似ている。溢れる情報の海に浸かっていないと物足りない。それが不健康な錯覚だと分かっていても止められない。
 ぼくがネットで眺めている情報の95%以上がまとめサイト。マンガ、ゲーム、PC関連、おもしろ画像を追い求めていくつものまとめサイトをはしごしている。そのおかげで、読んでないマンガのキャラクターや展開を把握しているし、遊んでないゲームの最新パッチの評判も知っている。PCパーツを買ってもいないのに自作PCを組んだ気分になっていることもある。おもしろ画像に至っては、見すぎてすべて知っているという謎の全能感を覚えることも多い。
 ネットを介して、それも誰かのフィルターを経てぼくは体験したつもりになっている。軽薄な毎日としか言いようがない。
 その一方で、自分ひとりでは集めきれない情報を何の努力もなく享受できているという考え方もある。まとめサイトはものによってはステマの発信源みたいに意見の偏ったところもあるし、恣意的な編集をしたフェイクすれすれのところもある。このせいで世間的な評判は良くない。でも、自分と似た感性のまとめを見つけられると、目をつぶり耳を閉ざしてぬるま湯に浸かっているような楽さを味わえる。
 その楽さだって、膨大な情報の海で泳ぐ助けになることもある。
 おもしろ画像まとめで有名なローコストコスプレイヤーという有名人がいる。身近なものを組み合わせアイディアの勝利としか言えないチープなコスプレ写真をあげている人だ。ぼくはこの人の作品が好きだった。だからまとめサイトを飛び出して、本人のSNSを見にいったことがある。ところが面白いものは半分もなかった。まとめサイトに転載されているもの以外は下ネタが多くがっかりした。あくまでフィルター越しで楽しめていたに過ぎない。
 まとめを無断転載と考えるか、キュレーションと考えるかは難しい。膨大に増殖した情報から欲しいものを選り分けるには、第三者による予備的なフィルターが欠かせないのは間違いない。