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新たな機種依存文字

by 唐草 [2020/10/31]



 最近、絵文字を活用する機会が増えている。と言っても、メールやSNSで使用しているわけではない。ぼくは、自分の歳で絵文字を多用したメールやツイートをしていたら周囲から気持ち悪く思われることぐらい理解している。その見極めをミスるほど自分を過信してはいない。
 メールでもSNSでも絵文字を使っていないとしたら、どこで使っているのか?正解は、仕事の現場である。
 プライベートで絵文字を多用するならまだしも、仕事で使っちゃうなんて一番ダメなパターンじゃないか。とツッコミを入れた方もいるに違いない。でも、安心してほしい。企画書とか報告書の紙面に絵文字が踊っているわけではない。
 ぼくが絵文字を活用しているのは、ぼくの管理下にあるWebページ内に限定されている。使っているのは😁のようフェイスマークや💔とかの感情を示すものではない。✅や🚫などの状態を示すシンボルと🔝などの操作系シンボルに限定されている。
 20年近くWeb開発に携わってきた者からすると絵文字の利便性は驚異的。昔は小さなアイコンをWebページに表示したければ、アイコンを別途画像で準備しておく必要があったし、文字中に画像が入るとズレやすいので慎重にCSSを書かねばならなかった。しかも当時のIEが独自のクソ仕様だったので裏技的なCSSが求められた。文中にたった1個矢印を表示したいだけなのに大量の呪文を並べていたものだ。
 そんな話も今や昔。今は、高校生がLINEするときぐらいに何も考えずに絵文字を打てばいい。本当に楽になったし、絵文字のおかげでWebの表現力も向上した。絵文字は日本というガラパゴス環境が生み出した文字の突然変異。日本生まれの仕様の多くは、世界の荒波の中では生き残れなかった。でも、絵文字だけはしぶとく生き残り、今や世界のスタンダードまで上り詰めた。
 きっとこの先も、存在感を示し続けることだろう。
 でも、ひとつだけ厄介なことがある。絵文字の図柄がフォントによって異なることだ。🐮が🐴になるようなことは起きないが、同じ🔝でも枠がついたり色が違ったりする。20世紀末に多くの人々を悩ませた機種依存文字の悪夢が蘇ってしまったようだ。