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スズメの楽園

by 唐草 [2021/01/02]



 スズメは住宅進化の影響をモロに受けている。隙間のない家が増えたせいで巣を作る場所が見つけられずに個体数が減っている。都市近郊では畑も空き地も減っているのでエサにも困っている。人間のせいで困窮している自然を守りたいのでスズメ用の冬期エサ台を設置している。
 こう言うと意識が高そうに聞こえるかもしれない。でも、本当はこんなこと全然考えていない。単純にスズメが好きだからエサ台を置いているだけ。不思議なことにスズメを見ていると昔飼っていた茶色い縞猫を思い出す。色が似ているだけでなく、臆病そうな動きがぼくの記憶を揺さぶるのかもしれない。
 ぼくの餌やりは完全にエゴであり、スズメだけへの贔屓なのだ。
 だから他の鳥の襲来は歓迎していない。スズメと餌場を共有する鳥は多くいるようだが、中でも厄介なのがハト。平和の象徴でもあるハトだが、巨大な図体を駆使してスズメを蹴散らす。体格差から分かるように莫大なエサを食べる(調べたらスズメの10倍以上食べるらしい)。
 ぼくは自然環境を維持したいのではなく、自分のためにスズメの楽園を作りたいだけ。だから、今冬は心を鬼にしてハトが寄り付かないエサ台を作ることにした。体の大きなハトが止まれないように、メタルワイヤー製のトイレットペーパーホルダーを利用してエサ台を改良した。
 改良は効果てきめんだった。初めは様変わりしたエサ台を警戒してか鳥がやって来なくなったが、数日後から徐々にスズメが戻りだした。集まるスズメを見てハトも戻ってきたが、ワイヤーに邪魔されてエサをついばむことはできなかった。しばらくはハトも果敢に餌を狙っていたが、ついに諦めたようだ。
 こうして念願だったスズメの楽園が完成した。
 そう思って年を越したのだが、2021年になるなり新たな来訪者がやってきた。それがムクドリ。
 何年もエサ台には現れたことがなかったのに、ハトが去ったのと入れ替わりでやってきた。ライバルが減った隙きを見逃さなかったようだ。ムクドリはハトより小さいのでぼくのトラップをすり抜ける。
 ムクドリもなかなかの大食漢。ハトが来たときと同じようにエサは消えるようになくなってしまった。
 これが自然のサイクルか。人の浅知恵では思うようにコントロールできないな。