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数字じゃ分からない

by 唐草 [2021/01/09]



 毎日確実に新規感染者数を伸ばしているコロナウイルス。特に1,000人を突破してからの勢いが凄まじい。ねずみ算のような倍々ゲームに近いステージに突入してしまった。増え続ける数字を見ていると、もう増加は止まらないんじゃないかという気分になる。
 緊急事態宣言の再発布にあわせて職場の出勤ルールも変更になった。リモートワークを中心にして出勤は週1回程度に抑えることというお達しが出た。もっとも、ぼくは昨年9月からずっと週1出勤を自己判断で貫いてきた。裁量労働制で雇用されている権利を最大限発揮していたとも言える。だから、今回の決定はぼくの働き方にお墨付きが出たようなもの。コロナは収まってほしいが、未来永劫このスタイルで働き続けたい。
 ほぼ引きこもり状態のぼくでさえ、コロナの魔の手が着実に迫ってきているのを感じている。まだ親族や友人で感染した人はいない。でも、ぼくが遠隔授業で受け持ったクラスの学生に濃厚接触者が出てしまった。ネット越しでしか接したことがないとは言え、ついに1次の隔たりまでコロナの魔の手が迫ってきた。これが対面での授業だったらもっと大事になっていただろうし、ぼくも余裕を失っていたに違いない。
 増える数字だけを見ていても、あまり危機が迫っているという実感がわかない。それは海外で起きた地震などの自然災害の報道を見ているのに似ている。規模を理解する上で数字は重要なはずなのだが、数字を見せられてもまるで目隠しをしているかのように何も見えてこないのがぼくの想像力の限界である。
 数字を見せられるよりも、今回のように隣人に濃厚接触者が出たという知らせのほうがずっと感情が動く。今回の知らせがまさにそれだ。仕事では「数字で実態を示せ」と口癖のように言っているのだが、数字の意味が理解できるのは自分がよく知っている世界に限られるということを痛感した。
 さて、緊急事態宣言の再発布になっても何の変更も検討されないものがいくつかある。その1つが、今月行われる大学入学共通テスト(旧センター試験)。ぼくは今年も試験監督。コロナの影に覆われた受験会場は、キルゾーンになるかもしれない。