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新しい買い物スタイル

by 唐草 [2021/01/11]



 これまでぼくが近所のスーパーに買い物へ行くのは、決まって午後8時45分ごろだった。閉店が近づきつつある時間に買物をするのは、割引シール狙いと思われても仕方がない。でも、そうじゃない。すでに夕食を終えているので、お惣菜に貼られた割引シールがぼくの胃袋を掴むことはない。
 この時間に店を訪れていた理由は、品出しのタイミングを見極めた結果である。そのスーパーは午後9時半までの営業なので、客足が引き始めた午後9時頃になると翌朝に向けた準備が始まる。肉や魚、野菜といった生鮮食料品以外の商品が補充されるので、多くの棚に潤沢に商品が積まれている。冷凍食品と牛乳を買うために店を訪れているぼくにとっては、欲しい物がすべてある状態だった。
 しかも、この時間なら他の客も少ない。レジも待たずに済むし、何より他人と近づくことを避けられる。あくまで店が空いていて商品が潤沢にある時間を狙っているだけなのだが、結果として感染症予防につながっていた。そんな良いことづくめの午後8時45分の買い物。
 ところが、緊急事態宣言の再発表を受けて状況は一変した。
 スーパーは時短営業になり、午後8時の閉店となった。ぼくにとっての買い物ゴールデンタイムが無くなってしまったのだ。
 では、いったいどの時間帯に店を訪れれば良いのだろう?緊急事態宣言下の新しい買い物スタイルを模索しなくてはならない。
 お昼前と夕方は、従来どおり混雑していることだろう。これはしかたのないことだ。だとすれば、やはり閉店間際を狙うべきだろうか?しかし、午後7時はぼくが夕飯を食べているので買い物に行きにくい。社会の生活スタイルと自分の生活スタイルを照らし合わせていった結果、ぼくがたどり着いたのは午後2時という時間帯だった。
 さっそく午後2時のスーパーへ足を運んでみた。混雑はしておらずスイスイと買い物ができたが、品出しがまだなのか空いている棚が夜より多く見えた。あと、割引シールは全然なかった。