カレンダー

2016/12
    
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

採点のジレンマ

by 唐草 [2017/01/25]



 同じレポートを約90通読むという苦行が課せられている。前世での行いが極悪非道だった報いか何かだろうか?と思いたくなるほどに辛い作業だ。毎期末にこの愚痴をここに書いている。
 レポートを読んでいると世の中の縮図が見えてくるような気がしてくる。やはり苦行は、悟りへの近道なのだろうか?
 冗談はさておき、実際に悲しい現実が露呈してくる。
 仮にレポートが未提出であってもA評価が確定しているような優秀の学生は、必ずレポートを提出している。また、内容も押さえるべきポイントを心得ていて簡潔で読みやすい。
 一方、成績が芳しくない学生(BとCの境界とか落第の危機など)のレポートは、日本語が怪しかったり、誤字脱字が目立つ。そして中身がない。ひどい場合は、提出すらされていない。
 読まなくて良いレポートは読んでいておもしろく、読まねばならないレポートは読んでいてもつまらない。
 うーん、何とも皮肉な感じがする。
 これを国語力は学力の基本であると考えることもできる。また、地頭の違いが文章として出ていると捉えることもできる。もっとも、ぼくだって日本語を扱う能力が十二分にあるとは言い難いが…。
 あと、偏差値の差って言うのも見せつけられるように思える。
 ぼくは3学部担当していて、各学部の入試時の偏差値差は2ポイント程度。大きな差のない数字なのだが、同じ採点基準で採点すると毎回偏差値が1番低い学部が落第生だらけになってしまう。同じ授業を同じようにやっているだけなんだけどなぁ。
 偏差値って値は突出した個性を図ることができない尺度なのであまり好きでは無い。でも、集団としてみると如実に能力差が出ることを認めざるを得ない…。