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台風一過なので公園へ

by 唐草 [2017/10/23]



 ほぼ予想通りの速度とコースで駆け抜けていった台風21号。各地に大きな被害を残したようだ。幸いなことに我が家の周囲に目立った被害はない。個人的な被害と言えば、風が大きな音を立てて吹き荒れ大粒の雨が雨戸を叩く音が、ぼくの安眠を妨げ悪夢をもたらしたことぐらいだろう。
 台風は、久々の青空と異様に強い風を残していった。季節外れな暖かさがやってきたのは、その風のせいなのだろうか?大学は休講になっていたので気持ちのいい休日を満喫することができた。
 大風が吹いた後の楽しみと言えば、近所の公園の偵察である。いつもはきれいに管理されている公園が、一夜のうちに一変する。木が折れ、花は散り、物が壊れ普段は目にすることのできない荒んだ光景が広がるのである。台風一過の雲ひとつ無い気持ちのいい青空と台風の傷跡は、なんともアンバランスな光景を作り出すのである。
 ちょっと退廃的な光景を一目見ようと強風の中帽子を手で押さえながら公園へと向かった。
 公園の道には青い葉が付いたままの枝があちこちに転がっていた。ただ、ぼくが想像していたほどの混乱は見つからなかった。折れている枝は、せいぜい1cm程度の細い枝ばかり。大きな木の枝先がちょっとだけ折れたに過ぎない。幹が真っ二つになるようなド派手な崩壊はどこにもなかった。老齢の桜も風雨に耐えきったようだ。
 枝は無事だったが、どんぐりの被害は甚大だった。
 公園の道路は、一面ドングリまみれ。ソールの柔らかい靴で歩いていたので、足つぼマッサージの効果が期待できそうなほどに一面ドングリまみれだった。ドングリが落ちるにはまだ少し早い。この時期に一気に落ちてしまうと野鳥たちは冬前の餌に困ることになるだろう。
 東北の洋上に抜けたとは言え、台風の力はまだまだ感じられる。巨大な渦に沿って流れる北風が木々の葉を裏返している。気象に関する知識がなかった古い時代なら何か大きな生き物の存在を感じ取っても不思議は無い。そんな荒々しい風が吹いていた。