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夜の街を走る

by 唐草 [2018/08/05]



 「夜の街を走る」なんて書くとちょっとワイルドに悪ぶった感じでバイクに跨っていそうな感じがする。それも原付きとかではなくて、ちょっと大きめのバイクだ。
 だが、ぼくの口から「夜の街を走る」という言葉が発せられた場合、先に述べて一般的なイメージとはだいぶ違う意味を持つ。二輪で走っているのはイメージ通りなのだが、二輪は二輪でもオートバイではなくて自転車だ。
 そう、毎年恒例の話題である。
 ぼくは夏休み期間になると毎晩自転車にまたがって10kmほど走ることを日課にしている。この夜のサイクリングにおいて健康維持とか筋トレという発想は殆ど無い。すべては美味しくかき氷を食べるためである。筋肉を動かし火照った体で食べるかき氷は格別である。ふわふわに削られた天然氷とか、新鮮な果物を使ったシロップとかそんなことはどうでもいい。水道水を凍らせた氷を安いかき氷機で削って、毒々しい色のケミカルなシロップをかけるだけで十分である。氷が熱々になった体を冷やしてくれる。ただそれだけのことが最高に美味しく感じられるのである。
 そんな訳で、夏の夜のぼくはアクティブである。バイクでもないしビールでもない。小学生と変わらぬモチベーションでサイクリングを楽しんでいるのである。
 だが、今年はまったく夜のサイクリングに出られていない。
 原因は、この異常なまでの暑さである。日が沈んでもなかなか30℃を下回らない毎日が続いている。21時過ぎでも依然危険な温度のままである。そんな中、体を熱くするためのサイクリングに出かけるということは、もはや自ら火の中に飛び込むようなものである。そんなことをして倒れたとしても、誰も同情してくれないだろう。
 かき氷は大好きだけれども、熱中症になるリスクを犯してまでも食べるものではない。それは自分でも分かっているので、サイクリングを自粛しているのだ。
 だから、今年はまだ一度も自家製かき氷を食べていない。それどころかかき氷シロップすら買っていない。果たしてこの夏は、夜にかき氷を美味しく食べられる日は来るのだろうか?このままだと、今年は夜のサイクリングもかき氷も無いままに夏が終わってしまいそうである。

※昨年の記事を見ると今年とは正反対で「涼しくてかき氷を食べていない」と書いている。何と言うか、かき氷好きには受難のシーズンが続いているようだ。