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尻が痛い

by 唐草 [2018/09/17]



 尻が痛い。今日の午後からずっと痛い。より正確さを持って言うのであれば臀部が痛いと言うべきだろう。ただ単に尻と言っただけでは、範囲が広すぎる。もし、この先の話題を尻の穴だと思って読むとより悲壮感のある内容になってしまうかもしれない。
 医療関係者でもないぼくは「臀部」なんて言葉を口に出したことはない。試しにキーボードをタイプしながら「でんぶ」と声に出してみたが、自分の声の響きに聞き覚えがなかった。もしかしたら人生で初めて臀部といいう言葉を口に出したのかもしれない。
 よし、もう一回言っておこう。臀部。さあ、みなさんも。リピートアフターミー。
 臀部と打ちまくったが、タイピングで指がまごつくほどに違和感が残る。もう、この先は尻で統一しよう。
 話題が逸れまくってしまった。
 今日、尻が痛くなったのは絶対に職場の椅子のせいである。これは断言できる。だって、今日はほとんど動くこともなく、まるで子供に飽きられたぬいぐるみように部屋に閉じこもって作業をしていただけだからだ。もし、走ったり、転んだりしていたらもっと頭を悩ませていたかもしれない。でも、悲しいかな動いていないので、理由は自ずと定まってくる。
 職場に置いてあるのは、ちょっと古い肘掛け付き事務椅子だ。IKEAとかで売っているような安いグレードでは無い。イトーキとかコクヨとかの最低グレードの椅子だ。椅子全体の中で見れば、中の下ぐらいのクオリティーだろう。無機質なグレーの樹脂製の本体に青い布張りの座面と背もたれがついている。
 そこそこの椅子なのに尻が痛くなってしまった原因は、たぶん2つある。
 ひとつは、椅子の基本設計がぼくの体に合わないこと。そのせいで机に向かったときにどうも違和感がある。机が低いという可能性もあるが、いずれにせよ椅子が体を支えてくれている感じが少ない。公園の古い木製のベンチに腰掛けているような体と座面が一体になっていないような感じが残る。
 もうひとつの原因は、椅子が古いこと。キャスターはボロボロで動くたびにキャタピラの重機が動くような振動と音を発生させている。また、座面のクッションは完全にヘタれてしまっている。これでは、ぼくの骨っぽい尻を包み込んでくれない。
 さて、どうしたものか。
 職場に文句を言えば、新しい椅子を用意してくれるだろうか?それは、あまり期待できない。
 いっその事、自分で椅子を買って持っていくのもありかもしれない。はたまた、今流行りの立って行うデスクワークを導入するのもいいかもしれない。しかし、軟弱なぼくのことだ、立って仕事をしたら今度は腰が痛いとか騒ぐことになるだろう。
 あっ、たった今、素晴らしい解決策が思いついた。
 仕事をする時間を減らそう。尻が痛くなる前に仕事を切り上げれば、なんの問題もないはずだ。なんと言っても健康第一、デスクワークと言え体が資本である。よーし、サボりの口実ゲットだぜ。