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カレーのカレー感

by 唐草 [2017/01/26]



 昼食は何を食べよう?自宅で仕事中なので、外食に行くという選択肢は無い。これは金銭的な問題では無く、距離的な問題。空腹の腹を抱えて歩き回れる範囲に飲食店がないという田舎らしい切実な理由がある。
 コンビニや近くのスーパーに弁当やお総菜を買いに行くという選択肢なら選ぶことが可能だ。ただ、今日の昼のぼくはお弁当を食べたい気分では無かった。カレーが食べたい気分だったのだ。
 きっとレトルトカレーがあるはずだ。ちゃっちゃと温めてカレーを食べよう。
 台所の引き出しを開けてレトルト食品を漁る。赤いそれっぽい薄い紙箱があった。でも、よく見たらそれは麻婆豆腐の素だった。危ない、危ない。麻婆豆腐の素を戻してレトルトカレーを探したのだが、ぼくの求めるものは無かった。なんてことだ。カレーを切らしているなんて…。不覚だ。
 面倒だが、カレーを買いに行くべきか?それとも、カレーは諦め別のものを食べるべきなのか?
 逡巡することしばし。
 少しトリッキーなアプローチでカレーに迫ることを選んだ。
 カレーうどんのカップ麺と白い飯を同時に食べればカレーを食べた気分になれるのではないだろうか?備蓄してあったカップ麺を見たぼくは、雷に打たれたかのように閃いたのだ。
 早速、お湯を沸かす。
 炭水化物(うどん)+炭水化物(米)の饗宴だ。麺をズルズルとすすりつつ、米を食べていく。
 食事を終えてからぼくは、頭を抱えていた。
 なんか違う。
 口の中は確かにカレー味だ。米を食べた感じも十分にある。
 でも、なんか違う。
 箸で食べたのが原因だろうか?それだけじゃない。即席の口内調理じゃ、インドに由来する奥深さにはたどり着けないということだ。無念。