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あけましておめでとうございます

by 唐草 [2017/01/01]



 2017年、元日から早速迷子になってきました。
 もっとも迷子と言っても、コントロールできる範囲の迷子。ゴビ砂漠の中央付近にワープしてしまったとかそう言う大きなスケールで命に関わるような迷子ではない。
 趣味の迷子とでも言っておこう。
 知らない街を適当に歩いて右も左も分からない状況を楽しむという遊びだ。ぼくが旅行へ行ったときに楽しんでいる散歩のようなものだ。
 今日は正月だと言うことで、親戚の家を訪れた。この歳になってもお年玉を渡す側になっていないという事実に、我が血族の終焉を見たような気がする。まぁ、気にしても仕方がない。
 正月と言うことで親戚が集まったところで、正直言ってすることなどあまりない。ゴロゴロしているのも退屈なので、知らない街を歩いてみようと外に出た。西に傾く元日の夕日、言うなれば"初日暮れ"を羅針盤代わりに歩き回る。行くあてなんて何も無い。簡単に迷えるようにと、わざわざ大通りを外れ住宅街や畑の中の道を思うがままに進んでいく。
 冬の日暮れは早いものだ。
 ぼくを導いていた夕日はあっと言う間に沈んだ。でも、ここからが本当の迷子の醍醐味。方角を間違えているのではないか?本当にこの道でいいのか?そんな不安感に包まれてこその迷子散歩。ありふれた住宅街ですらダンジョンのように見えてくる。頬をなでる風も次第に冷たくなっていく。
 日が沈んだ後は、三日月と宵の明星を頼りに足を進めて行く。
 結局、1時間以上にわたって迷走(走ってないけど)を楽しむこととなった。周囲からの理解は得られなかったが、ぼくとしては充実した1日となった。