カレンダー

2018/10
 
   
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

収支は黒字?

by 唐草 [2018/09/03]



 今朝、通勤電車を降りてバスに乗ろうと駅前のバスロータリーに出たら駅前が妙に賑わっていた。雨だというのに列を成す人で溢れかえっていたのだ。朝から行列とは大変だなと他人事のように並ぶ人々を一瞥して、自分が乗るバス停へと早足で向かった。
 目的のバス停を見て絶句した。
 行列の先頭は、ぼくが乗るバス停から始まっていた。駅前に並ぶすべての人は、ぼくと同じバスを待つ列だったのである。それも1列ではない。3列に並んだ上で長蛇の列をなしているのだ。駅前の広場は、蛇腹折になった列で埋まっていた。「ここはお盆か暮れの国際展示場駅か?」と言いたくなるほどの列である。3分間隔でピストン運行しているバスでも、この行列を切り崩すのは容易ではない。乗車率200%超のバスが出発しても、列が進んだように見えない。人が輸送されるよりも早く、電車が新たな人を運んでくる。ぼくが先頭付近で絶句している間に列はみるみる長くなっていった。
 30分以上の余裕を持って駅についたのだが、売られる奴隷のようにおとなしく列に並んでいたら遅刻してしまうだろう。朝の一時は、値千金である。という訳で、ぼくは無料のスクルーバスを利用するのを諦めて、金の力に物を言わせてタクシーで出勤することにした。
 まるで重役のようなセレブな出勤である。でも、それはぼくにとっては厳しい出金でもある。朝から想定外に1,300円ほど散財してしまった。ついていない。
 だが、人生とはあざなえる縄のごとしものである。幸運にも昼食をおごってもらえることになった。1,500円ぐらいのちょっといいイタリアンにありつけた。
 タクシーによる予想外の出費とおいしいタダ飯を比べると、1,300円失ってから1,500円もらったことになる。つまり、合計すると収入が支出を200円上回ったことになる。なんと収支は黒字である。
 普段は、無料のバスに乗って600円ぐらいの定食を食べている。これだと600円の支出のみである。そう、今日は普段と比べても儲けた一日なのである。
 もっとも、タクシーに乗ったことと昼をおごってもらったことになんの因果もない。本来だったら1,500円丸儲けの一日だったんだよなぁ。我ながらなんともケチな皮算用である。品性の下劣さがよく分かる。