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氷冷人間

by 唐草 [2019/08/05]



 痛いほどの日差しが降り注ぐこの暑い夏をどのようにして乗り切るのか?人によって手段は様々だろう。ある人は、風通しの良い涼やかな服(ときに裸族のような過激なものを)身にまとうことで体に熱を溜めないようにしている。また別の人は、水筒やペットボトルを持ち歩いてこまめな給水をすることで体を冷やしている。究極的なアプローチとして外に出ないという手段が残されているが、これを実施できる人はそう多くはない。
 様々な人が、自分にあった手段で熱から逃れ涼を求めている。昨今の日本の夏の暑さを考えると、これは自分の命を守る行為とも言える。見た目とかにかまっている余裕はない。なりふり構わず全力で自分自身を冷却しなければ、夏を生きて乗り切ることすら困難な時代になってしまったのである。
 ぼくの冷却手段は、例年通り食品用の保冷剤を持ち歩いて体を冷やすというシンプルな戦略である。いわば氷冷だ。だが、この単純な戦略でさえ毎年進化していないと暑さに対抗することはできないのである。
 この日記で保冷剤で体を冷やすという記述が最初に出てくるのは、2008年の夏のことである。その頃は、1個か2個の保冷剤を手ぬぐいに包んで首に巻いていた。10年以上経過した今、ぼくと保冷剤の関係はどうなっているのか?
 持ち運ぶ保冷剤の数が6個まで増えたのである。基本的には以前と同様に手ぬぐいで包んで首に巻いている。ただし、包み方にコツが有る。横に3つ並べて2段重ねにしている。だから首に直接当たるのは3つだけ。じゃあ、体に触れていない3つは何をしているのか?変な話に聞こえるかもしれないが、保冷剤を冷やしているのである。首から伝わる体温と上空から降り注ぐ太陽熱に挟まれると小さな保冷剤なんて10分も保たずに溶けてしまう。だから2段重ねが必須なのである。
 首に保冷剤を巻いているのは、自転車での移動中が中心だ。自転車から降りた後は、保冷剤を手ぬぐいごと脇や太ももの間に挟んで体を冷やす。このやり方は、熱中症の応急処置に倣ったもので血管を直接冷やすやり方だ。こうして全身を効率よく冷やすことで、日中でも自転車を利用することができるのである。
 ただ、6個もの保冷剤を持ち歩いていても30分は保たない。ぼくの移動距離を考えると、自転車を降りた後の冷却時間がちょっとだけ足りないのである。さらに長時間の冷却を目指すのなら、両脇用と太もも用に更に6個ぐらいの保冷剤が欲しいところである。
 なんだか出棺を待つ遺体並の冷却だな。ひょっとして、ぼくはゾンビ?