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甘味スイッチ

by 唐草 [2018/10/28]



 ぼくは自他ともに認める甘い物好きである。それもかなり悪食の甘味好きである。大福や羊羹のような小豆ベースの和風甘味から生クリームたっぷりのケーキを中心とした洋菓子まで全部守備範囲。チョコレートだって大好き。気取ったお菓子だけではなくて、ラムネやキャラメルなど駄菓子に分類されるような甘味も大好きだ。甘ければなんでもOKという節操のない甘味好きなのである。酔えるのならどんな酒でもOKと断言しているアル中患者の甘味版だと思って差し支えない。
 だが、欲望だけで生きていたら大変なことになる。というか、過去に大変なことに陥ったことがる。
 以前にも書いたことがあるが、ブドウ糖を中心とした摂取カロリー効率至上主義とでも言うべき甘味生活を満喫していた結果、低血糖症に陥ったことがある。ぼくの体は、砂糖は何もしなくても降ってくるものだと勘違いしてしまったようだ。カロリーを備蓄する必要などまるでなしと判断してしまったらしい。手が震えたりと結構ヤバかった時期もあったものだ。
 その後、「健康な体で甘いものを食べた方が美味しく食べられる」という事実に気が付き強い意志で甘味中心の生活を断った。
 とは言え、これは頭で考えた判断でしかない。食欲が本当に牙を向いたら、理性なんてなすすべもないのである。
 昨日は、完全に甘味スイッチがONになってしまった。甘いものをどれだけ食べても満たされた感じがしないのである。胃の中に十分なものが入っていて満腹を感じているのだが、体の芯が甘い物の不足を訴えているという状況から抜け出せなかった。
 朝は甘いイチゴジャムをたっぷり塗ったトーストを食べた。お昼は普通に食べたのだが、食後にかりん糖を貪り食った。3時のおやつは、バームクーヘンをコーヒー牛乳で飲み下すという甘味の共演だった。ちょっと意識高めにシロップ漬けのドライフルーツを食べたりしながら午後を過ごした。そして夕飯を終えると同時にアイスクリームを買いに近所のスーパーまで買い物に出かけてしまった。
 山に登ったり激しいスポーツをしたのであれば、体が莫大なカロリーを欲するのは当然である。だが、ぼくはベッドの上でボーッとゲームをしていただけである。いったい何にカロリーを必要としているのだろう?さっぱりわからない。
 一夜明けた今日もまだ甘味スイッチはONのままである。朝からフレンチトーストを堪能したし、今もコーラを飲みながらこれを書いている。もはや甘いものは別腹なんて次元ではない。干上がった湖の底のように一向に満たされぬままなのである。