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ようこそウエストバージニアへ6

by 唐草 [2018/11/20]



 『Fallout 76』冒険日記 その6
 
 オンラインゲームにおける最強の敵って何だろう?
 「強いボス」なんて答は、ゲーム未経験丸出しの0点回答である。顔を洗って出直してこい。
 オンラインゲーム経験者ならこのように答えることだろう。
 「ラグ」「バグ」「noob(初心者)」
 どんなにプレーが上手くても回線状況が悪ければ意味はない。不具合があれば努力が消え去ってしまう。ルールを理解しない初心者が紛れ込めマルチプレーは地獄となる。
 この3要素は間違いなく強敵だ。だが、これ以上の強敵が存在するとぼくは信じている。どんな歴戦の戦士でさえもコントローラーを置いてしまう強敵である。
 それこそ、「メンテナンス」である。
 メンテナンスが始まってしまえば、完全にお手上げである。1日20時間プレーする廃人も週末しかログインしないライトユーザーも関係ない。すべてのオンラインユーザーが眠りにつく。
 今日は、『Fallout 76』正式サービス開始以来初のメンテナンスデーとなった。
 そのせいで、ぼくはウエストバージニアに帰れなくなってしまった。約1週間ぶりに日本で夜を過ごすこととなったのだ。βテスト以来アメリカ東部時間で生活していた気がするので、なんだか日本時間を意識するのが久々な気がする。
 愛用のスナイパーライフルを置いてぐっすりと眠った。
 ここまでは良かったのだが、必要以上にぐっすりと眠りすぎた。なんと9時間も寝てしまったのだ。これは、つまり2時間の寝坊である。今朝は時間に余裕があるので好物のフレンチトーストでも焼いて優雅に出勤しようと考えていた。でも、フレンチトーストどころか、ただのトーストすら食べる時間は残されていなかった。どんなに急いで出ても遅刻である。急いでいるのは遅刻を回避するためではなく、遅刻の時間を少しでも短くするためだけである。これを誠意と考えるか虚しい努力と考えるかは難しいところである。
 なぜこんなにもぐっすりと寝てしまったのだろうか?
 やはりここのところのウエストバージニア通いが、思いの外疲労を蓄積させていたのかもしれない。メンテナンスという天が与えてくれた休息がぼくの心完全にオフにしてくれたのだろう。仕事に向かう意欲よりも、バーチャルのウエストバージニアで過ごすことのほうが今のぼくにとっては情熱を注ぐ相手になっているということが明らかになってしまった。
 メンテナンス。それは戦士の休息である。