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ご褒美は採点の後で

by 唐草 [2017/11/06]



 ぼくが担当している授業では、毎回学生に小レポートを書く課題が出される。小レポートと言ってもテーマレポートのようなしっかりしたものではない。グループワークの成果を簡単にまとめて報告する業務日報のようなものである。
 真剣に課題に取り組んでいれば、用紙の片面では足りないぐらいの成果があるはずである。もっとも大半が空欄の方が多いような有り様であるが…。
 このレポートは、出席カードの代わりという訳ではない。ぼくが中身を精査して、報告の精度や作業の具体性を見極めて成績の個人点として記録する重要な提出物なのである。
 そんな訳で適当に読み飛ばすわけにもいかない。毎回丁寧に採点する必要がある。
 採点の愚痴は、幾度となくここに書いてきた。「何枚も溜めてしまったと」か「似たような内容を何枚も読むのは苦痛だ」とかそんなことをいつも言っている。
 今までは、授業終了から数日経ってから採点をしていた。大抵は家での作業を行うためにスケジュールを空けている金曜日が採点日となっていた。
 だが、先週から金曜日も出講することになってしまった。そのため、採点時間がなくなってしまった。放っておくとあっと言う間にレポートは溜まってしまう。だから、可能な限り早めに処理をしないとまずい。
 先週は、授業を終え家に帰ったらすぐに採点をすることにした。でも、あまりうまくいかなかった。家に帰ってきたら緊張感が解けて眠くなってしまう。そんな状態で採点をしても時間を浪費するばかりで遅々として成果を得られない。
 先週の反省を踏まえ、今週は大学で採点をすることにした。まだ緊張感が残っている内に仕事を終えてしまおうという魂胆である。これは合理的な判断なのだが、どうにもやる気が起きなかった。
 そこで、自分を奮い立たせるための策を用意した。
 菓子パンを買っておいて、採点を終えたら食べるというルールを設けたのだ。甘い物にめっぽう目がないぼくにとってこの戦略は、馬の前ににんじんを吊すのと同じかそれ以上の効果があった。メロンパンを食べたい一心で、過去最高速度で採点を終えた。