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バードフィーダーは超満員

by 唐草 [2017/12/31]



 先日購入したバードフィーダー、要するに鳥のエサ台は、良い買い物だった。
 設置直後のエサ台は見向きもされずにただ風に揺られるだけだった。でも、諦めなかった。設置場所を変更したり、撒き餌をしてエサ台までの動線を確保するなどの工夫を重ねた結果、4日後にはスズメが集まってくるようになった。今では、集まったスズメが場所を取り合って喧嘩をするほどの賑わいがある。
 そんな様子を暖かい部屋の中から息を潜めてレースのカーテン越しにじっと観察するのが、今の楽しみである。群れるスズメたちが一心不乱に餌を突く様子を写真に収めたいと思っているのだが、これはうまくいっていない。カーテンが少しでも動くとあっと言う間に飛び去っていってしまう。餌しか見えていないような食べっぷりなのだが、ちゃんと周囲を警戒している。やはり野生である。
 今では、最大10羽ぐらいのスズメが同時にやってくるようになった。これが一番大きい群。その他にもう少し小さな群も来ているようだ。この様子を見ていると微笑ましいのだが、同時にいくつかの疑問が湧いてくる。
 まず、これほどまでの個体数が近所にいたということに驚いてしまう。ご近所のスズメ大集合といった感じである。このスズメたちがどこに巣を作って生きているのかがサッパリ分からない。エサ台を出すまでは、いったいどんな生活をしていたのだろうか?スズメは軒下など人間の暮らしの側に巣を作る鳥だ。住宅地なので住宅の排気口や雨戸の戸袋、屋根の隙間など巣を作る場所は事欠かないだろう。でも、餌場なんてどこにも無いようにしか思えない。我が家にやってくるスズメたちの豪快で底知れずな喰いっぷりを見ていると、これだけのスズメがどうして食いっぱぐれないのかが不思議でならない。
 もう一つの疑問は、我が家のエサ台の存在をどのように伝達しているのかということだ。初めの頃我が家のエサ台にやってきたのは、たった2匹のスズメだった。それが、日を追うごとに増えていき今では10羽を越えるまでに至った。やってくるスズメの数が驚くべき早さで増えたところを見ると、個別にエサ台を発見して我が家にやってくるようになったとは思えない。スズメたちの間に情報共有のネットワークがあるとしか思えないのだ。何も考えないでチュンチュン鳴いているようにしか聞こえないスズメのさえずりだが、実際は「あっちに餌場がある」とか「ここは危険だ」など生命を守るための大切な情報交換なのかもしれない。
 例年を遥かに超える数のスズメが、ぼくの予想を上回る勢いで雑穀の餌を食べ続けている。例年なら一冬持つ餌が、1ヶ月も持ちそうにない。このままだと我が家の近所は、デブスズメばかりになってしまうかもしれない。冬場のふくら雀はかわいいが、限度というものもあるだろう。自然の生態系保持と個人の楽しみの間で揺れる冬になりそうだ。