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ゴールデンとシルバー

by 唐草 [2018/04/30]



 5月の連休は「ゴールデンウィーク」と呼ばれている。対して10月末のあったりなかったりする連休は「シルバーウィーク」と呼ばれている。連休の規模や認知度、ありがたみなどを鑑みると初夏の休みが「金」で晩秋の休みが「銀」扱いされていることに違和感は無い。
 貴重な大型連休を貴金属に例えるのはうまい。我々が休みをありがたがる気持ちも表現できているし、飲食などサービス業にとってはかき入れ時だということも表現している。ダブルミーニングのすぐれた命名である。
 「ゴールデン」と「シルバー」の2つの単語を並べて気になったことがある。
 「ゴールデン」つまり"Golden"は、"Gold"から派生した語(形容詞)である。一方の「シルバー」つまり"Silver"は、そのものズバリ「銀」を意味する語(名詞・形容詞・動詞)である。"Golden week"も"Silver week"も英語的な間違いは無い。でも、厳密に考えると"Golden"と"Silver"だと釣り合っていないように思えた。つまり、"Golden"と釣り合う命名にするのならば単純に"Sliver"を使うのではなく、"Silver"から派生した形容詞を使うべきなのではないだろうか?このアンバランスな命名は、日本人の英語理解力の低さが招いたものなのではないだろうか?そんな疑問が脳裏を過ぎった。
 改めて英和辞典で"Golden"の意味を調べる。英英辞典でないところがぼくの能力の限界をよく示している。いくつかの意味が掲載されていた。「金色の」とか「金製の」というストレートに「金」を意味するだけでなく、「すばらしい」とか「全盛期の」というような意味もあるようだ。"Golden Age"のときの"Golden"だ。意味を正しく理解すると「ゴールデンウィーク」の「ゴールデン」は、「(金のように)すばらしい」と解釈するのが適当なのかもしれないと思えてくる。
 今度は"Silver"を調べよう。"Golden"と同じような派生をした単語はあるのだろうか?試しに"Silveren"で検索するが英語だと空振り。辞典の"Silver"の項目を読み解くと"Silverish(光沢のある灰色の)"と"Silvern(銀の光沢の)"という語はあるようだ。どちらも"Golden"とは、意味合いの違う語である。
 やはり、"Golden"と対になるのは"Silver"で良いようだ。
 先に「『シルバーウィーク』という命名は、日本人の英語理解力の低さが招いたもの」とか偉そうに書いてしまった。英語の意味を一番分かっていないのは、ぼくだったのだ。
 記事も書けたので、画像を見つけようと日記を「ゴールド」という単語で検索した。すると、2014年に今日とほとんど同じ記事を書いていた。この発見はぼくを大いに動揺させた。ぼくに足りないのは、英語力だけでなく記憶力もなのか。何度も同じ話を得意気にする「親戚のおじさん化」が進んでいる。もうダメかもしれない。