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リセットボタンを押しながら

by 唐草 [2018/12/18]



 ボタン電池の交換によって再び起動できるようになったぼくのMac pro(Early 2009)。「完全復活だ」と勝利の余韻に浸っていたのも束の間だった。
 残念ながらスリープ状態で長時間放置すると目覚めなくなってしまう症状までは改善していなかった。しかも、そうなってしまうと目覚めの悪い困った子に戻ってしまう。
 ただ一点だけ決定的に違う点がある。電池交換前は何をしても起動しなかった。つまり、完全な沈黙を貫く18kgのアルミの塊でしかなかった。でも、今は本体内部にあるリセットボタンを押しながら電源を入れることで確実に目覚めるようになっている。以前はリセットボタンを押しても何の効果もなかったことを考えると喜ぶべき進展だ。日常使いするPCとしては依然致命的な状況かもしれないが、ぼくからしてみれば昏睡状態だった友人が人工呼吸器の力を借りて意識を取り戻したのと同じぐらい目覚ましい改善なのである。
 それに、リセットボタンを押しながら電源を入れるという行為に抵抗感はまったくない。これはファミコン時代に培われた本能に近いIT経験である。リセットボタンを押し損ねて何度ドラクエ3のセーブを消してしまったことか。諺にもあるように幼き日に学んだ経験は、例え長いブランクがあろうともぬぐい去ることはできないほどに体に染みついているのである。
 と言う訳でリセットボタンを押しながらMac proを起動する。起動することが嬉しいので、起動するためだけに起動してしまう。
 しかし、悲しい現実がぼくを襲う。
 もうこのMac proでやるべきことは何も残されていないのである。沈黙していた数ヶ月間の間にすべての環境を移行した。ハードの故障を機にすべてのソフトウェアを更新した。だから、いまさら古い環境が復旧してもできることが無いのである。
 この感動の復活劇(100円の電池を買っただけ)に意味は無かったのか?ぼくの喜びは無駄なのか?
 もし、このまま引き下がっていたらただの無意味な徒労に終わってしまうだろう。そうはさせない。一度断たれたと思われた命を意図せず拾ったのだ。もう
怖いものは無い。何年もの間10.6で凍結していたOSをアップグレードする時がついに来たのだと考えよう。
 と言う訳で、怒濤のアップデート祭開催である。Snow Leopardこと10.6から10.13のHigh Sierraまで一気に階段を駆け上るぜ。毒を食らわば皿までの精神である。
 とは言え、スリープから復帰できないことがある問題を考えると、やはり電源側にも何らかの問題があるようにも思える。まぁ、もう遊びだと割り切ろう。