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眠れる呼吸法の真偽

by 唐草 [2018/12/25]



 先日ネットですぐに眠りにつける呼吸方法という胡散臭い投稿を見つけた。ネットに掲載されている健康術なんて広く一般的な効果が期待できるものではなく、個人の感想レベルのものが多い。根拠も裏付けもなにもない。テレビで紹介するんだったら画面の片隅に「※個人の感想です」とか書かないと大問題になってしまうようなものだ。
 しかし同時にネットの世界は玉石混交でもある。嘘やデタラメばかりであるが、極少数ながら真実も混じっているし、自分と同じ感想を抱く少数派に出会えることもある。鵜呑みにするのは危険だが、脊髄反射で否定するのも適切とは言えない。求められるのは、科学者のように客観的な視点を保って検証することである。
 だからぼくは手軽に試せそうなものは、懐疑的な姿勢を取りつつも試すことにしている。
 今回見つけたのは「眠れない時は、4秒かけて鼻から息を吸って、7秒息を止めて、7秒かけて口から息を吐く」という呼吸術である。スローペースな呼吸なのである種のヨガに通じるものなのかもしれない。試すだけなら簡単だ。別に寝付きが悪い訳でもないのだが、のび太くんのように3秒で寝られるわけでもない。これでより素早く寝られれば儲けものである。科学的な好奇心からぼくは真偽不詳の呼吸術を試すことにした。
 4秒かけてゆっくりと鼻呼吸をする。慢性鼻炎のぼくでも肺いっぱいに空気が入ってくるのを感じられる。そして7秒息を止める。苦しいと感じるほど長くもない。そして最後に息を吐きだす。ちょっと長めに息を止めていたので、一気に吐き出すような形になってしまった。1呼吸目は失敗である。2回目はゆっくり吐くことに注意をしながら肺の中身を空にしていった。
 これは自力でちょっと酸欠気味にして眠りに落ちる方法なのだろうか?それとも寝ているときの深い呼吸と同じリズムを意図的に作る方法なのだろうか?ぼくの頭の中の分析的な部分が1呼吸ごとに考えを深めていく。10回ぐらい試したが、急激に眠気に襲われた感じもないし、寝落ちもしなかった。ぼくはまだ起きている。
 やっぱ、この呼吸法もガセなのかな?
 とか思っていたら朝になっていた。というのが3日ほど続いている。
 どうもぼくには効果が出ているようである。それがなんか悔しい。ネットのガセを暴いて自分の優位性を誇示しようと思っていたのに、毎晩「やっぱ、効果ねぇな」と思った数秒後に寝ているのである。なんだか完全に手玉に取られているようである。
 でも、この呼吸法って息を止める必要は無いようにも思える。結局は英語で羊を数えているのと同じなのではなかろうか?寝る時に大事なのは、ゆっくり息を吐くこと。それに尽きるのだろう。

※寝る時に羊を数える際は声を出しながら英語で数えること。sheepという発音が睡眠時の呼吸に近いのがいいらしい。だから、日本語で、しかも脳内でカウントしていても何の効果もない。