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続・洗練されているクソ技術

by 唐草 [2019/02/08]



 先日、ぼくの壊れかけMac proを起動させるためのテクニックを書いた。儀式めいた面倒な一連の手順だが、自分で編み出した自分しか知らないテクニックで機械を操作しているという満足感がある。難解な手順の末に静かにファンが回りだすと「ぼくだけがMac proを起動させられる」という小さな優越感が心に満ちていく。起動するだけで大きな充足感を得られるのだ。
 だが、実はまだまだ儀式は道半ばなのである。実は前回書いた洗練された役に立たないクソ技術は、あくまでハードを起動させるためだけの手順に過ぎない。本当に大変なのは、ここからなのである。
 ぼくのMac proは、Bootcampを導入しているのでMacとWindowsの両方が利用できる。ただし起動するOSを切り替えるには、ハードの起動を上回るテクニックが必要なのだ。
 本来のやり方では、ALTキーを押しながらハードを起動させて起動ディスク選択画面からOSを選ぶ。この方法でも一応切り替えはできるのだけれども事実上不可能に近い。
 グラフィックボードをMacのEFI起動に対応していないものに交換したので、どんなに力を込めてALTキーを押しても画面は真っ黒のままなのである。コンピュータ的には表示していても映像信号として出力されないのだ。
 そこでぼくはrEFIndという別の起動ディスク選択ソフトをインストールした。とは言え、こいつもグラボ交換のせいで画面は表示されない。やはり真っ黒な画面を相手に操作することには変わりがないのだ。ただ、起動が早いことと操作がシンプルなのでこちらを選んでいる。
 前回と同じOSを起動させるときは、エンターキーを連打していればいい。でも、OSを切り替えるときは大変だ。Macにするときは、まずキーボードの左矢印キーを連打。一番左にあるmacOSが選択されているはずなので、頃合いを見てエンターキーをそっと叩く。Windowsを起動させるときは、針の穴に糸を通すような繊細な操作が要求される。まずキーボードの左矢印キーを連打するのは同じだ。カーソルが一番左まで移動したと確信できたら、目にも留まらぬスピードで右矢印キーを1度だけ叩く。これで、macOSの1つ右隣にあるWindowsが選択されているはずである。そしたら、優しくエンターキーを叩く。
 おかげで表示されているであろう内容を頭に思い浮かべながら真っ黒な画面を操作するという卓越したテクニックを身に着けたのである。
 なお、この操作をする際に有線のXBOX 360コントローラーがあるととても楽だ。キーボードの入力が有効になったタイミングでコントローラーのLED発光パターンが変わる。それにあわせてキーを叩くととても簡単に、時間のロスなく操作を行えるのだ。
 本当にどうでもいいクソスキルばかり洗練されていく。