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巨大な田舎

by 唐草 [2020/09/15]



 ここ数年、実際にあるアメリカの土地をモチーフにしたゲームで遊ぶ機会が多い。前にも書いたが、こういうゲームで遊ぶほうが教科書を読むよりず地理や歴史への理解が進む。ゲームを通してアメリカへの理解が少しだけ進んだ。もっとも、マフィアの歴史とか偏った知識ばかりだけど。
 ゲームに合わせてストリートビューを見るのも楽しい。ゲームで見たロケーションをストリートビューで見つけると不思議な満足感に包まれる。テレビに近所が映ったときのような驚きと安心感が入り混じった感じだ。
 さて、先日から始めたゲームの舞台はラスベガス近郊。勘の良い人は、ぼくの趣味とベガスの組み合わせでなんのゲームか想像できるだろう。世界最大のカジノ街がゲームでどう描かれているか気になるところだが、ゲーム序盤なのでまだ華やかなラスベガス中心地にはたどり着いていない。歓楽街のはるか南にあるモハベ砂漠周辺をブラブラ歩いているだけ。
 ぼくが遊んでいるステージは実際の場所がモチーフになっているのだろうか?気になったのでGoogleマップで「Mojave」と検索した。
 スマホの画面には黄土色の背景が表示されるだけで道も建物もなにもでない。ロードに時間がかかっているのだろうか?そうではなかった。砂漠のど真ん中にピンが立っているので、ランドマークが何一つ表示されていないだけだった。表示範囲を広げていくと国道が見えてきた。ゲームで見た地名もある。なんだか知っている場所にたどり着いたような安心感がある。
 黄色い国道の上にピンを置いてストリートビューを表示する。雄大な山並みを背にした太い道が表示される。カメラを回す巨大なボンネットトレーラーが映っている。雄大な自然の中に巨大な人工物がある様子は、まさにアメリカだ。
 画面をタップして次の場所へと進む。だが、画面が変わったようには見えない。続けざまに数度タップして進むが、やはり画面はほとんど同じ。かろうじて対向車線の車が変わっただけ。その後も同じような画像が続いた。
 こんなに変化に乏しくつまらないストリートビューを見たのは初めて。アメリカを巨大な田舎だと評した文を読んだことがあったが、その意味をようやく理解できた。