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バイナリは語る

by 唐草 [2017/01/17]



 あるゲームで遊んでいたらハッキングのシーンが出てきた。いつだって、フィクションの世界のハッカーは優秀すぎる。ちょっとコマンドを打つだけで、相手組織のサーバに数分で侵入して管理権限を奪うし、暗号化されたデータだってパパッと復号化してしまう。PCの世界でなら不可能なことなんて無いような振る舞いを見せる。
 描かれる技術が不可能では無いことは認めるが、実際にハッキングを行おうとすればもっと泥臭い作業が付きまとうことだろう。そして、膨大な時間が必要になる。
 とは言え、いちいち文句をつけていたらフィクションの世界を楽しめない。ぼくは「彼(ハッカー)は、運が良かったんだ」と思う事で現実とフィクションの折り合いをつけている。
 さて、ハッキングシーンではバイナリが表示されていた。
 黒い背景のウインドウに緑か白の文字で何行にも渡って16進表記のバイナリが映される。これは、様式美に近いレベルのお約束だ。
 
 00 8B EC 51 89 4D FC 8B 4D FC E8 A4 58 FC 32 C0
 
 こんな文字列が大量に並んでいる。
 ぼくは、元チートコード作成者として様々なバイナリを見てきた。その経験から言わせてもらうと、ゲーム画面に表示されていたバイナリは、プログラムっぽくなかった。
 なんと言えばいいのだろうか。リズムが、人間寄りという感じがする。あれはプログラムの機械語部分ではなくて、データが格納されている部分なのではないだろうか?数値とかポインターが並ぶ構造体のように見える。
 機械語の部分は、みっちりと00でないデータが詰まっている。32bitなどのバス幅でデータを読み取るので、目に見える区切りが必要ないからだ。
 一方、データの部分は区切りや末端記号が並ぶ。人間が定義したデータなので、やはり人間くささが残っている。
 データ部分を表示しているとなると、ゲーム内のシーンと合致しないような気がするんだけどなぁ。まぁ、いいか。所詮、小道具としてのバイナリなんだしね。