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MSの本気度

by 唐草 [2020/11/23]



 先日、Appleが「Appleシリコン搭載Mac用のbootcampは準備できている。Windowsが使えるかはMicrosoft次第。」というような公式声明を出した。この声明をどう解釈するかは意見が割れそうだが、ぼくはAppleがMicrosoftを挑発しているように聞こえた。
 MacはBootcampというソフトを導入すると簡単にWindowsを利用できるようになる。1台のハードで2つのOSを使えるのは便利なので、ぼくも使っている。これはAppleのハードもWindows搭載PCも同じx86互換CPUを採用しているからできた芸当。
 先日発表された新型Macからは、ARMというスマホで普及しているCPUへと切り替えた。CPUが別になると機械語がすべて変わり、一切の互換性がなくなる。その結果、Windowsを動かすことはできなくなったように思われた。
 でも、新型MacでWindowsを動かせる可能性は残されていた。
 実のところAppleより先に、MicrosoftはWindowsをARMに対応させようといくつかの取り組みを行っていた。Windows 8ときはWindowsフォントの連携の急先鋒としてARM版WindowsであるWindows RTというものを発表していた。これはWindowsフォンの失敗を待たずして瞬きする間もなく消えた。
 その後、低電力の組込機器で動かすためのWindows 10 IoTというARM版Windowsを発表していた。これはぼくらが普段遣いするPC用ではなく自販機とかの裏側で動くものを想定していた。
 細々と裏街道を歩んでいたARM版Windowsだが、先日MicrosoftのタブレットであるSurfaceにPro XというiPhoneみたいな名前のモデルが追加された。Pro XのCPUはARMだった。ぼくらが使っているWindows 10と同じ機能をもったARM版がしれっと搭載されている。
 Microsoftがどこを目指しているのかは全然わからないのだが、いままでPC世界を席巻し続けていたx86だけでなくモバイル世界の覇者であるARMに焦点をあわせているのは確かなようだ。
 Appleがいい具合に尻を叩いてくれれば、ARM版Windowsも苦難の果についに日の目を見るかもしれない。
 ARM搭載のラズパイ4にインストールできるそうなので、ちょっくらARM版Windowsを試してみるか。