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光るファン

by 唐草 [2020/03/24]



 今日、学生がinゼリーのGAME BOOSTERを吸っていた。気がつけばゲーミングを名乗る商品は食品業界にまで広がっている。何がゲームをどうブーストさせるのかさっぱり分からないが、ゲーミングの由来が不明瞭な点こそゲーミングの名にふさわしい。ゲーミングゼリーを飲んでいる姿を見た同級生には「そのゼリー光るの!?」とからかわれていた。
 PC業界には、ゲーミングを冠する製品が山ほどある。マウスなどの周辺機器からマザーボードのような基板、そして椅子に至るまで多岐にわたる。高性能をアピールする製品の多くにゲーミングの頭文字がついている。だが、具体的にどうゲームに適しているかは謎である。強いて共通点を挙げるのならば、値段が高いことと、LEDで光ることだけである。
 PCゲームには高い処理能力が必要だ。だから、ゲームが軽快に動作する製品が高額なのは致し方がない。ゲーミング=高価の図式には納得できる。
 だが、光ることとゲームに何の関係があるのだろう?PCが七色の光を発すると反射神経が向上するのだろうか?そんなことはありえない。キーボードが光ると視認性が良くなってプレーに良い影響を及ぼす可能性があるかもしれないのは、千歩ぐらい譲れば理解を示してもいい。一方、PC本体の中に設置されるファンが光って何の効果があると言うのだろう?もし、内部が人知れず光ることでゲームが楽しくなるのであれば、今頃PS4やSwitchの中はキラキラと光り輝いていただろう。
 ぼくは、ずっと光るPCパーツを心の底からバカにし続けてきた。あんなものは、無駄にLEDで地面を照らしているDQNな改造車と同じだ。白日の下では気がついてもらえない無価値な人間のちっぽけな自己顕示欲を照らして、誰にも気がついてもらえない満足をひとり感じさせるものだと考えている。自分でPCを組む機会があっても、絶対に光るパーツは使わないし、使いたくもない。
 だが、今日初めて光るファンの利点に気がついてしまった。暗いサーバ室でなら光の有無でマシンが動いているかを遠くから識別することができるのだ。強力な電源ランプと見做せば光る価値はあると言える。だが、それのどこがゲーミングなのかは未だ理解できないままである。