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春の公園に吹く風

by 唐草 [2020/03/01]



 暖かい日差しが優しく降り注ぎ、南からの穏やかな風が街を気持ちよく通り抜けていく。今年の3月は、理想的な春をそのまま実現したかのような心地よい天候と陽気で幕を開けた。例年だったら、このような日には多くの人が行楽に向かい様々な場所で春を楽しむことだろう。
 でも、今年はコロナ騒動のせいで何もかもが違う。
 人混みを避けるようにという政府からの勧告のせいで、世間は何もかもが自粛ムードに包まれているように思える。感染リスクが高まる行動を避けましょうというアナウンスは、消極的だが君子危うきに近寄らずとも取れる合理的な判断なのは分かる。とは言え、一方的に「したいことをするな」と言われると窮屈に感じてしまうのも事実だ。特にこんなに気持ちの良い日曜日に「おとなしくしていましょう」と言われると、普段は出不精なぼくでさえその命令に抗いたくなる。
 だからと言ってどこかに出かけようと思っても、多くの施設は営業を中止している。勧告に逆らって営業してコロナの感染源になり叩かれるのだけは避けたいという、こちらも消極的な理由で営業自粛の輪は広がっているのだろう。
 こんなときは街へ繰り出すのではなく、自然の中へと足を運ぶのが良いだろう。人々が未知のウィルスに恐れをなしていようとも自然は変わることなく悠然と構えている。川はとうとうと流れ、木々は風にそよいでいる。
 手軽に自然を感じたいぼくは、気休め程度にマスクを身に着けいつもの公園へと散歩に向かった。
 公園の人出はどんな具合だろうか?いつも通りののどかな時間が流れているのだろうか?それとも自粛の波は公園にも到達しているのだろうか?はたまた、ぼくのように行く宛のない人々が大挙して押し寄せているのだろうか?
 のんびりと30分ぐらいかけて公園へと歩いていった。
 大きな公園は、コロナウィルスの話などどこ吹く風と言った具合だった。元気な歓声と勢い良く転がる大小様々なボールで賑やかだった。小学生以下の子供連れの親子を中心に普段の日曜日より混雑していた。なんだかとても健康そうに見える春のひとコマだった。
 帰り際に毎年確認している桜の花芽を確認した。それが今日の地味な写真。まだつぼみは固いが、膨らみ始めている。春はもうすぐそこまで来ている。今年の花見はいったいどうなるのだろう?