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半年ぶりの早起き

by 唐草 [2020/09/29]



 今日からぼくの担当する後期の授業が始まった。制作系の演習という性格上、教室に集まる対面授業ではないと実施が難しい。登校が全面禁止されていた前期は止やむを得なく休講となってしまったという悲しい話まである。後期になって状況は大きく変わった。
 学生たちが対面授業を熱望したのか、それとも教員が遠隔授業に音を上げたのかは分からないが、かなりの科目で教室での対面授業が認められた。コロナが危険であることは依然変わりはないが、目隠しされたような怖さではなくなった。ぼくらの歩む道はまだまだ一歩踏み間違えれば命を落としかねない険しく細い道のままだが、危険を回避しながら歩く術を学びつつある。ただ怯えるだけのときは去った。これからは攻めることも必要なのかもしれない。
 前向きな言葉を並べて自分を鼓舞してみた。それでも半年ぶりの対面授業は、怖かった。
 だって11時にデスクについていれば問題ない生活だったので、ぼくの中から早起きという概念が消え去ってしまっていたからだ。出勤のための早起きが出来る気がしない。初回から教員が遅刻という最悪の展開しか想像できない。
 スマホのアラームは半年間オフのまま。目覚まし時計もベルを鳴らすことは一度もなかった。毎日が週末のように夜ふかしで、午前9時台に目が覚めれば早起き気分。
 そんな生活から一転して、午前7時までに家を出なくてはならなくなったのだ。朝に弱いぼくが7時に家を出るためには遅くとも6時までに目覚めなければいけない。午前6時と言ったら、起きる時間よりも寝る時間に近いような気がする。
 昨年まではできていた早起きとは言え、楽を知ってしまった半年のブランクが暗い影を落とす。どう考えても、起きれる気がしない。スマホのアラームと目覚まし時計の2つをセットしていても不安が拭い去れない。
 早起きする最も簡単な方法は早寝すること。昨晩は22時半にはベッドに入っていた。
 しかし、慣れないことはするだけ無駄。寝られずゴロゴロ転がっているだけで、時間ばかりどんどん過ぎていく。一瞬ウトウトとしても、早起きへのプレッシャーがぼくを熟睡させない。何度も目覚めたし、寝ても奇妙で不快な夢ばかりだった。
 結局、あまり寝られぬまま午前5時半を迎えてしまった。気分は完全に仮眠明け。まぁ、早起きできたってことにしておこう。