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疑惑のカウント

by 唐草 [2021/01/31]



 ぼくは根っからの散歩好き。普段歩くときは目的地へ最短距離で進むだけだが、散歩のときは全然違う。通らない道を選び、いつもとは逆方向に角を曲がる。迷子になることを厭わず、足を踏み入れたことのない道を選んでいく。こんな風に歩くと近所の散歩でも新鮮な気持ちで足を進められる。
 スマホの登場で散歩の楽しみが少し増えた。歩数と距離が記録されるので、数値で自分の活動を知ることができるようになった。ぼくはその数字をゲームの経験値のように捉えている。大きな数字を出せるとレアモンスターを狩ったときのような満足感に包まれる。その満足感は次の散歩への原動力につながる。
 コロナで散歩以外の外出が激減してしまった結果、ぼくのスマホはもっぱら歩数計として活躍している。高価な歩数計だ。
 ぼくの親も運動不足解消のためにスマホ片手に散歩に出ている。だが、ぼくと違って数字に満足できていないようだ。イメージより歩数が少ないし、距離も小さいと主張している。確かにぼくと同じルートを歩いたはずなのに歩数がだいぶ少ない。距離もをGoogleマップの検索結果より小さい。
 この差は、どこから生まれるのだろう?
 スマホの持ち方や歩くときの姿勢の影響があるのだろうか?それともスマホ本体の差に起因するのだろうか?
 今日は実験も兼ねて親と近所をぐるりと一周した。家に戻るとぼくのスマホでは4,200歩だったが、親のスマホは3,500歩となっていた。誤差では済まされない差だ。2台の計測結果に差があることは確かだが、まだどちらが正しいかは分からない。ぼくのスマホが過剰にカウントしている可能性も否定できない。
 親のスマホは初代iPhone SE。ネットを調べるとこの世代のiPhoneの歩数計は実際より少なく計測される疑惑があるようだ。iPhoneの歩数計は、単に上下動の回数をカウントしているのではなく、横方向の移動も検知して歩行と思われる動作をApple独自のチップで割り出している。でも、このチップがブラックボックスなので実際のところ何をどう判定しているのかは、Appleしか知らない。
 はたしてどちらの数字が正しいのか?白黒はっきりさせないと散歩の成果を手放しで楽しむことができなくなってしまう。