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ポークカレー

by 唐草 [2021/02/10]



 カレーって懐の深い料理だ。どんなスパイスや具材を入れたって煮込み料理であればカレーと名乗ることができる。これが入っていないとダメだというようなルールは何も存在していない。スパイスの風味を感じられれば合格だ。きっと辛くなくたって良いのだろう。
 この寛容さは、多くの文化がごった煮になっているインド界隈の多様性から生まれたのだろうか?海外の寿司を見つけては、否定の言葉しか並べない日本人とは大違いだ。もしカレーが日本生まれの料理だったから今のような多様性は生まれていなかっただろう。
 カレーの好みは人それぞれ。ぼくはタイ風のサラッとしたグリーンカレーが一番好きだ。とは言え、本場風のグリーンカレーを食べる機会はめったに無い。レトルトのグリーンカレーに頼ってばかりいる。
 自分で作るのは市販のルーを使った茶色くドロドロしたいわゆる欧風カレーだけ。グリーンカレーとは全く違うものだけど、どちらもカレーだと思えるんだからカレーの幅は本当に広い。ぼくの作るカレーの具のメインは、豚肉になることが多い。ポークカレーだ。
 カレーにはどんな肉も合う。鳥だったらちょっと大きめに切ったモモ肉を鶏皮が軽く焦げるぐらい焼いたのを入れると美味しいし、牛だったら定番のすじ肉の煮込みよりひき肉を使ったキーマ風が好きだ。でも、ぼくは豚が一番好きだ。豚肉の脂身がカレーにコクを与え、ボリューム感を増してくれる。
 悲しいことにネットを見ていると「ポークカレー=貧乏」のステレオタイプが広く流布している。牛肉でもOKなものに安価な豚肉を使うのは貧乏の証拠だという偏った考え方だ。カレー以外だとすき焼きでも同じことが言われている。
 幸いなことに我が家は、カレーのコストを抑えるために豚を選んでいるわけではない。あくまでポークカレーの味が好きなので豚肉を選んでいるだけ。他人が何を言おうが、ぼくの好みは揺るがない。
 その一方でポークカレー好きを公言しにくい空気を感じてもいる。でも、本当にそんな空気があるとは思えない。ぼくの判断基準がネットミームに汚染されているだけなのだろう。