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カップうどんを食べなくてはならない

by 唐草 [2021/03/13]



 犬猫と暮らしていると数年に一度、エリザベスカラーのお世話になる。エリザベスカラーは、動物が傷口を舐めないように首に巻く大きな襟のような治療器具。由来はエリザベス女王(今のおばあちゃん女王ではなく16世紀頃の1世)が身につけている大きな襟に似ているかららしい。
 我が家の猫の1匹が、腹にアトピーのようなデキモノができてしまった。屋内飼いだし悪性の皮膚病ではなさそうだが、猛烈にカユイらしくて放っておくと一日中舐めている。猫の舌はヤスリのようにザラザラ。そんな舌で舐め続けていると、毛が根こそぎ刈り取られてハゲるし、舐めれば舐めるほど炎症は悪化していく。そして、痛いのでさらに舐めてしまうという悪循環に陥いる。屋内飼い故に朝から晩まで身繕いをしていられる余裕があることが、皮肉にも炎症の悪化につながっている。
 人間だったらかゆみ止めを塗って掻かないようにしたり、ステロイドを使って根本から治療することができる。でも、何でも舐めてしまう猫に軟膏を塗って治療することはかえって危険。
 そこでエリザベスカラーの出番となる。大きな襟で体を舐められないようにしてしまうのだ。かゆいところを掻けないのは可哀想だが、これが最善手なのである。
 エリザベスカラーは、動物病院やペットショップで買うことができる。とは言え、特別なものではない。動物の頭にちょうどいい大きさに切られたポリエチレンかなんかの板に過ぎない。そんなものを高いお金で買うのも馬鹿らしいし、滅多に使わないものを買いたくはない。
 我が家では、カップそばの「緑のたぬき」の容器をエリザベスカラーの代用品として使っている。猫の首周りに合わせて底をくり抜いて、一箇所切って養生テープで止めれば出来上がり。必要なときにいつでも作れるし、いらなくなったらすぐに捨てられる。
 今日も我が家の猫は、首に緑のたぬきをつけている。
 猫からしたら、エリザベスカラーは邪魔で仕方がない。全力で取ろうと抵抗している。だから装着3日目ですでに容器はボロボロ。次なる容器確保のために「赤いきつね」を食べるのが飼い主であるぼくに課せられた急務である。