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さよならPCデスク

by 唐草 [2021/03/17]



 1996年製のPCデスクを処分した。ブラウン管時代のiMacを載せるために中古を買ったはず。以来、様々なPCを載せてきたし、設置場所も自部屋からリビングを経由してサーバ部屋まで移っていった。PCだけでなくプリンターを載せていた時期もあった。
 最後に載せていたのは3代目カラクサラボサーバ。サーバが小さなラズパイへと代わったので3代目はお役御免となり、同時に重いPCを載せてもビクともしない金属製デスクも必要なくなっていた。この1年は、接続するべきPC本体のないモニターを載せているだけだった。
 机としてはまだ使えるが、載せるものがなにもない。また、本体を載せる板とキーボードを載せる板がそれぞれ独立した設計だった。これはデスクトップPCを使うには良いデザインなのだが、ノートPCだと使いづらいし、勉強机や食卓として使うのは苦痛でしか無い。もう机を維持しておく意義はない。もったいないような気もしたが、潰しも効かないので処分となった。
 10年ぐらいは、家具屋を覗くとたくさんのPCデスクが並んでいた。重い本体や大きなモニターを載せても歪まない堅牢な作りを売りにしたり、ケーブルを通す穴が設けられていたりと様々なアイディアが詰まったデスクがしのぎを削っていた。
 気がつけば、PCデスクは売り場の中心から隅へと場所を移していた。人々のIT環境がデスクトップPCからノートPCへ、そしてスマホへと変わっていった結果なのだろう。今どきネットを見ようとして専用デスクに腰掛ける姿なんて想像できない。
 デスクトップPCが大好きなぼくは、自宅でも職場でも大きな机に何台ものデスクトップPCを並べて仕事をしている。そんなぼくでも、仕事以外でPCを使うことは激減した。いつでも傍らにタブレットを抱えている。今やオタクでもPCデスクなんて1台で十分。
 かつてはリビングの中心にあった家具が、無用の長物へと変わってしまった。そんな時代の変化を感じるPCデスクの処分となった。