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Home Brew小学生

by 唐草 [2021/05/06]



 教育現場に導入されたタブレットがゲーム機になっているという話を耳にした。
 子供にタブレットを持たせれば勉強より遊びに使うのは当然だし、どうせアプリ制御もしないで配ったんだろう。タブレットに触ったこともない役人がやりそうな話だ。この話を聞いたときまずこう考えた。実情は、ぼくの予想とは違っていた。
 配布されたタブレットはしっかりコントロールされていて、アプリ追加はできないそうだ。それなのになぜゲーム機になってしまったのか。話をよく聞いたら受け継がれてきたハッカー文化が見えてきてぼくは嬉しくなった。
 導入されたプログラム勉強用のソフトには、サンプルをダウンロードできるそうだ。そこにプログラマたちがゲームのソースコードをアップロードしまくっているらしい。教材の中にゲームが隠されていることを見つけ出した賢い子供たちは、次々にダウンロード&ビルドして遊んでいるそうだ。
 プログラミングの技術と文化に無理解な大人たちは、この流れを良しとしないだろう。ぼくから言わせてもらえば、この流れを受け入れられなければ情報教育をする意味はない。
 古くは『伽藍とバザール』で述べられているように、今日のプログラムの成果は集合知によるものだ。公開されたソースを見て学び、それを改良して公開する。これを繰り返して進歩を続けてきた。今、ぼくがコードを書けるもの先人たちの叡智のおかげ。だから、正確にぼくの能力を書くのであれば「プログラムを書ける」というのは間違いで「公開されたものを適切に組み合わせられる」となる。
 子供たちが行っているのは、home brewプログラムのあるべき姿。教科書に従って制御構造を学ぶより、落としたゲームを改変して敵キャラを先生の写真にするスキルのほうがずっと実践的だ。理屈は後からで構わない。
 限られたSDKの中だけとは言え、オープンソースを自分でビルドするというハッカーの間で培われてきたプログラム文化を本能的に理解し始めている子供たちの未来はきっと明るい。バカで古い大人が灯りを消さない限り。