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ヴァンパイア

by 唐草 [2021/05/08]



 どんなゲームで遊んでいても、ぼくが最終的にたどり着くビルドはだいたい同じ。前にも書いたが、真正面からボスの必殺技を食らっても耐えられるようなHP特化型のタンクキャラになる。こうなるのには、ぼくの性格が大きく関わっている、
 現実のぼくは紙装甲のようにメンタルが打たれ弱いのでその反動というのもあるかもしれないが、それよりも繰り返しの強要を極端に嫌っているのが最大の要因。
 ゲームオーバーになって初めからやり直すのがイヤなのだ。だから、数度ミスっても簡単にはゲームオーバーにならないようにHP盛々で状態異常耐性重視のガチタンクを選んでいる。
 この選択の欠点は攻撃力に乏しいこと。死なないことだけを考えているので戦闘時間が伸びがち。攻撃力重視キャラなら3回トライできるぐらい時間がかかることだってある。それでもいいのだ。あくまで「やり直さずに初見で倒した」ということが、ぼくのチンケなプライドを守る。
 驚くべきことに長年続けてきたHP盛々タンクビルドに変化の兆しが現れてきた。さらに守勢を極める傾向が強くなっている。防具は以前と変わりないが、武器の選択が大きく変わった。攻撃力を捨ててでも、攻撃時HP吸収などの攻撃と回復を同時に行える要素を最優先する。
 その結果、ぼくの操るキャラはどのゲームでもヴァンパイアかゾンビといった感じの不死身キャラになっている。ダメージを負っても回復薬を使おうという健全な発想はすでに消え去った。手当たりしだいにザコ倒して血を吸おうと考えるのが今の思考。敵キャラは、人であれ魔物であれ機械であれ皆スナック菓子のように見える。
 このせいでボス戦はさらに泥臭いものになっている。何も考えずにただ殴り合い続けるだけ。その姿は、どっちが先に倒れるかの根比べのよう。インテリジェンスの欠片もない。どうもぼくの脳はすでに腐ってしまって、戦術を組み立てたり、緻密な操作はもうできないようだ。そんなので楽しいのかと疑問に思われるかもしれないが、攻守の切り替えすら考えず殴り続けられるぬるま湯バトルは最高に気持ちいい。