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10,000歩

by 唐草 [2021/05/12]



 スマホの歩数計を使うようになって痛感したことがある。
 1日10,000歩を達成するのは、なかなか難しいということだ。
 ぼくの場合、出勤すると4,000〜7,000歩ぐらいを稼げていた。振り幅が大きいのは、職場が無駄に広いせい。どの棟での仕事かによって歩く距離が大きく変わる。地方の感覚だったら車移動が妥当だと考える広さだろう。現に車通勤の人は職場内の移動に車を使っている。とは言え、都会育ちのぼくにとっては歩きで十分な広さ。元気よく大股でガシガシと職場を横断している。
 勤務日のサラリーマンの平均歩数は、約3,000歩だと聞いたことがある。その数字と比べるとぼくは結構歩いている。無駄に広い職場は、図らずしてぼくの健康の一助になっていたと前向きに考えることもできそうだ。
 だが、それも一昨年までの話。在宅勤務が基本になって以来、歩く機会がめっきり減っている。定期的に歩くのは、スーパーへの買い物の900歩だけ。それだって3日に1度ぐらい。1週間で3,000歩に達しているか怪しい。
 このままではマズイと思ったのが、昨年の夏の終り。週に一度は1時間ぐらい歩こうと誓ったのだった。
 三日坊主のぼくにしては珍しく、この健康的な誓いは続いている。昔から歩くのは好きだったし、外出が激減しているので近所の散歩ですら貴重。また同じコースを毎週歩いていると季節の変化を肌で感じられるのも楽しい。
 半年以上続けているうちに歩く距離も少しづつ伸びてきた。それでもまだ10,000歩には届いていない。ベストでも9,000歩止まり。一度にまとめて10,000歩を稼ぐのは、思っていた以上に大変だ。
 祖父は毎日10,000歩を日課にしていた。一度に歩くのではなく、朝と夕の2回の散歩の合計で10,000歩がルールだった。完全に生活の一部になっていたので雨の日も雪の日も休まず続けていた。
 毎日10,000歩はすごい記録だと思うけれど、リタイアして家事もしない暇な老人だから達成できていた側面も多分にありそう。自分で10,000歩を目指すようになって初めて分かる昭和一桁生まれの生き方。