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フリフリビーズ

by 唐草 [2021/06/11]



 梅雨って、なんとなく匂いが気になる季節だ。と言う訳で、久しぶりに消臭ビースを購入した。
 世の中には様々な消臭剤が売られている。それだけ匂いを気にしている人が多いということなのだろう。いろいろあれど匂いで匂いを誤魔化すタイプの消臭剤はどうしても受け入れられない。あれは消臭剤と言うよりも、強い香りで鼻を麻痺させる薬だと思っている。
 今回買った消臭ビーズは、500mlペットボトルぐらいの大きさの透明の筒に入っている。透明のぷにぷにビーズが見えている楽しいパッケージだ。消臭剤の本質と楽しさは全く別物だが、どうせ置くならビーズの特徴を活かしたパッケージのほうが良い。小さい頃だったらフタを開けてビーズの中に指を突っ込んでいたに違いない。なにせ今も指を突っ込みたいと思っているのだから。
 消臭ビーズは、その身を削りながら消臭しているそうだ。ビースの水分が蒸発する時に空気を吸い込み、臭いの元を多孔構造に捉えるそうだ。だから使っているうちにビーズはどんどん小さくなっていって、最後には透明感も失い数ミリの白いカスのようになる。
 このカスを水に漬けると再び消臭機能を取り戻すという噂を聞いたことがある。水を吸って膨らむところまでは納得できるが、多孔構造内にとどまった臭いのもとが抜けるとは考えにくい。再生したように見えるビーズは、もう匂いを吸えない臭いだけの玉になるのではないかと疑っているので、再生を試みたことはない。
 消臭ビーズを設置して数週間が経過した。ボトル内を観察すると、開口部のある容器上部のビーズが小さくなっている事が分かる。と言うことは、このまま使っていったら容器上部で乾いたビーズが固まってフタをしてしまうのではないだろうか?完全密封とまではいかなくても、消臭効率が落ちてしまいそう。
 杞憂とも言えるこの心配を解消するには、ビーズを撹拌するのが一番だ。ということで、ことあるごとに容器を回したり振ったりしてビーズの上下入れ替えにチャレンジしている。
 ぼくの懸命の努力も虚しくぷにぷにしたビーズは一向に混ざる気配がない。それでも、ぼくは諦めずに容器を振り続けるのだった。