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最後のチェレンコフ光

by 唐草 [2021/06/27]



 3,4年ぐらい前から生き残りをかけて戦うバトルロイヤル形式のゲームが隆盛を見せてきた。大きなブームはPUBGに始まり、Fortniteを経てAPEX Legendsへと流れは移っていった。ブームを牽引したこの3つは今でも多くの人が遊んでいるようだ。一時代を築き成功を収めたゲームがある一方で、ブームに乗れなかったゲームもある。ぼくは波に乗りそこねた側のゲームで遊んでいるひとりだ。
 今回取り上げるのは『Fallout 76』に収録されているバトルロイヤルモードの「ニュークリア・ウインター(NW)」である。『Fallout 76』は建築要素のあるシューターだ。建築要素+シューターでまず思いつくのは、Fortnite以外には無いと言ってもいいだろう。NWはFortniteが成功を収めた後にリリースされているので、言い逃れの余地なく二匹目のドジョウを狙ったゲームなのだろう。
 NWは、運が良ければノーキルでも勝てるし、マリオカート並みの逆転要素が用意してある。だからエイムが下手でもけっこう面白い。だが、ぼくは通常のアドベンチャーモードで遊ぶ時間を削ってまでバトルロイヤルに参加しようとは思わなかった。そう考えたのは、ぼくだけではなかったようだ。時間が経つにつれロビーは閑散としていき、プレー時間よりもマッチング待ち時間の方が長いことも珍しくなくなってしまった。PvEでの共闘を好むプレーヤーの多い『Fallout 76』とバトルロイヤルの相性は悪かったようだ。
 結局、NWは今年の9月で2年の歴史に幕を下ろすことが決まった。
 この決断に驚きはなかったし、むしろデイリーミッションのために無理やり遊ばされることがなくなると前向きに受け止めたのが正直な感想だ。
 終了が発表されて2週間ぐらい経った。今、NWは大いに盛り上がっている。サービス終了までに限定アイテムをゲットしようという人々が押し寄せている。ぼくもそのひとり。終了が告知されたことで最後にして最大の盛り上がりを見せている。生き残りに負けたゲームに待っていたのは、こんな皮肉な展開だった。