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森のエンドコンテンツ

by 唐草 [2021/10/06]



 ゲーム『どうぶつの森』シリーズは、コツコツ気長に楽しめるようデザインされている。現実の時間とシンクロしているので、季節の移ろいをリアルとバーチャルの両方で楽しむのが、ちょうどいいゲームとの距離感だろう。
 せっかちな人は、季節イベントを追いかけてゲーム機の時計を進めてしまうそうだ。一直線にクリアを目指すゲームなら効率よく先に進む手段を活用するのも良い。でも、『どうぶつの森』でそれをするのは、自から進んでゲームの寿命を短くするようなもの。ぼくは絶対にやらないし、やりたくもない。
 『どうぶつの森』には長く遊ぶための仕掛けがいくつも用意されている。特に時間がかかるのは、運任せの美術品コレクションだろう。これは、だいたい10日に1回引けるガチャで50点近いコレクションを揃えるという気の長いゲーム。美術品の知識も必要だけれども、それ以上に運が必要となる。コンプリートするには、10年ぐらい掛かりそう。3DS版の美術館をコンプリートする前にSwitch版が出てしまった。Switch版の進みの悪さを考えると、今回もコンプリートよりも先に任天堂が次のハードを発表しそうだ。
 もうひとつの気長に遊ぶ要素が、青バラだ。バラの交配を繰り返して、現実でも幻と呼ばれている天然の青バラの交配を目指す遊び。種から育てた赤、黃、白の3色のバラをうまい具合に交配させて青バラを作る。こう書くと簡単そうだが、実際にやってみると交配頻度の低さとランダムさ、そして交配ルールの複雑さに振り回されて底なし沼にハマることになる。見分けのつかない同じ色のバラでも内部的には何種類もあるようだ。
 ぼくは攻略サイトを参考に複雑な交配に挑戦した。大量のバラをパズルのように配置して、マイデザインを駆使して交配の記録をゲーム内に残し、毎日植え替えと選別を繰り返していった。時にミスって大幅後退することもあった。
 苦節4ヶ月にして、ついに青バラの交配に成功。
 費やした時間、割いた労力、それらを考えると、青バラ交配は『どうぶつの森』の最大のやりこみ要素。エンドコンテンツと呼ぶにふさわしい。