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3日かかる

by 唐草 [2022/01/08]



 昨年末に鳥の餌台を設置した。今年の開始は少し遅かった。例年、庭木のセンリョウの赤い実が食べ尽くされるのを合図に餌台を出す。自然の餌がなくなってからというルールだ。その基準だと12月上旬が多いが、今冬は始まりが暖かかったせいか遅いスタートとなった。
 餌台に置くのは穀物中心の野鳥の餌。これを食べるのはスズメ。赤い実を食べるのは果物好きのヒヨドリ。こっちは穀物には目も向けない。ヒヨドリの食糧事情でスズメの餌台を準備するのはズレているけれど、「自然の厳しさを目の当たりにしてから」ということで大目に見ている。腹を空かせたスズメには迷惑な基準かもしれないが…。
 数年前の餌台を始めた頃は、なかなか鳥が集まらないことにヤキモキしたものだ。鳥の影を求めて閑古鳥の鳴く餌台を日に何度も眺めていた。そんな初々しい振る舞いも過去の話。餌台歴が長くなったので、すぐに来ないことにも慣れた。今では設置から3日で鳥たちが集まることを学んでいる。焦らず待つのがポイントだ。
 今年も設置3日後にスズメの群れはやってきた。例年通り暖かいリビングからふくら雀を眺めるという冬の楽しみを満喫できそうだ。
 スズメたちはなぜ3日で現れるのだろうか?そして、どうやって餌を見つけるのだろうか?これが毎年の不思議。
 餌台は人工的なプラスチック製。見た目では餌があると判断できないし、空からでは米よりも小さな穀物を見つけるのも難しい。嗅覚を頼りに餌を探しているのだろうか?人間には穀物の匂いなんて全然分からない。
 唐突に現れる餌台をたった3日で見つける観察力にも驚かされる。常に斥候部隊が餌場を探しているのだろうか?それとも去年を覚えていて毎日チェックしているのだろうか?どちらにしてもすごい。
 毎年のことながら都市に生きる小動物のたくましさには驚かされる。
 驚きといえば、正月にネズミが現れた。正月でゴミが出ていなかったから餌台を狙ったのだろうか?バイタリティは褒めてもいいが、不衛生なネズミは仮に今年の干支だったとしてもお引取り願いたい。