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今年も雨戸

by 唐草 [2022/01/18]



 昨年末からずっと雨戸を閉じたまま。だから、ぼくの部屋は深海のように陽が差さない。狭くて物に溢れていることを考えれば、潜水艦の小部屋といった趣だ。
 雨戸を閉め切っているのは、ぼくが吸血鬼のように日光に弱いからではない。ヒタヒタと忍び寄る寒さから身を守るためである。
 築40年ぐらいの我が家の断熱性能は低い。壁の断熱材が今の基準からすればお粗末だし、何より問題なのが時代遅れのアルミサッシ。冬の間は、いつ触っても痛いぐらいキンキンに冷えている。
 世界的に見てもアルミサッシはエコでないと言われるようになった。考えてみれば家の内と外を隔てる部分に熱伝導の良い金属を使ったらどうなるかは火を見るよりも明らか。夏は太陽がもたらす灼熱の外気を家の中に運び込み、冷房で冷やした空気を外に逃がす。逆に冬は、凍てつく空気を屋内に運び、暖房の熱を屋外に捨ててしまう。はっきり言って窓辺に置かれた迷惑な放熱板のような存在だ。
 今の省エネ志向の感覚からすると、なぜアルミサッシがここまで普及してしまったのかを理解することはできない。
 地球環境のことを考えれば、早急にアルミサッシを捨てて樹脂製サッシを導入するべきなのだろう。それが省エネに繋がり結果として光熱費も下げる。そう分かっていても、大掛かりな窓の工事を依頼するのは骨の折れる作業。ついつい後回しにしているうちに冬は終わる。
 手軽にできる断熱対策として、いろいろなことを試してきた。ガラス窓にプラダンを貼った年もあれば、プチプチを貼った年もあった。カーテンを2重にしたこともある。どの対策もそれなりの効果はあったが、冬前に用意するのも春に撤去するのも面倒だった。毎年やるのならば、簡単であればあるほどいい。
 だから、今年も妥協点として雨戸が大活躍。一日中閉めっぱなしだ。春が来るまで開けることはない。金属板とは言え断熱層が1つ増える効果は絶大。日光を失う代償として、部屋の保温性が向上する。どうせ冬場の日照時間なんて短いんだ。暖かさが手に入るのなら悪くない取引と言える。