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剥がすのが怖い

by 唐草 [2022/03/07]



 指先をザックリと切ってしまったのが2/25。すでに1週間以上経過しているが、まだふとした拍子に傷が痛むこともある。皮膚の表面を削ぐような浅いが広い傷を神経の集中する指先に負ってしまったがゆえに、いつまでも痛いのかもしれない。
 今、傷はどうなっているのか?
 実のとこと傷の具合は全然分かっていない。指を切ったその日にキズパワーパッド系の分厚い湿潤療法絆創膏で傷を封印した。それ以来、ぼくの指先は絆創膏に覆われたまま。剥がしてもいないし、剥がれもしなかったので傷の回復具合を一度も見ていない。
 10日以上絆創膏が剥がれないことに驚いている。最近の絆創膏は水に強いし伸縮性も高いので、そう簡単には剥がれない。とは言え、これだけ長く剥がれなかったのは初めての経験。
 どうして剥がれなかったのだろうか?1つは、ゴム手袋を使って過保護なまでに患部を守った成果だろう。傷を負ってからの5日間は、仕事のときも、食事のときも、ゲームのときも、入浴のときも、寝るときも手袋をしたままだった。水濡れや汚れ、摩耗から絆創膏を完璧に守れたのだろう。
 そしてもう1つの理由は、血の力かもしれない。キズパワーパッド系絆創膏は体液に反応して保護層を形成するらしい。通常は患部周辺だけが白く膨らむが、今回は絆創膏全体が白く膨らんでいる。血が完全に止る前に絆創膏を貼ったので、ぼくの血がまんべんなく広がったせいだろう。生き血をたっぷり吸った絆創膏は、恐ろしいまでにタフに成長した。こう書くとなんだか呪いのアイテムのようだ。
 すでに10日以上指先が絆創膏に包まれているので、絆創膏が自分の皮膚の一部になったような感覚さえある。だから、ぼくは絆創膏を剥がすことを恐れている。
 絆創膏を剥がすと傷を直視することになる。これも怖い。それ以上に、絆創膏を剥がすと絆創膏とともに指先も剥がれ落ちて傷が開いてしまうのではないかということを恐れている。
 ここまで剥がれないのは患部と癒着してしまったせいではないか?とてもバカらしい仮説なのだが、それを否定するために絆創膏を剥がす度胸はない。自然に剥がれる日を気長に待つことにしよう。