カレンダー

2022/03
  
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

ジェネリック

by 唐草 [2022/03/18]



 ジェネリック医薬品の認知も高まり、処方の機会も増えてきた。先日ぼくも病院でジェネリックがあると説明されたので、脊髄反射でジェネリックを希望した。ぼくのように深刻でもなくありふれた症状なら安いほうで十分。2割ぐらい安くなったので領収書を見るだけで気分が良い。病は気からじゃないけれど経済的負担が軽減されるという心理効果はバカにできないかもしれない。ケチなぼくは、それだけで元気になった。
 ジェネリックという言葉は、医薬品から広がっていったような印象がある。言葉が広がる以前から切れた特許を活用してコピー品を作るビジネスはあったが、それが広く市民権を得るまでに至らなかった。多くの製品は、特許が切れる頃には陳腐化していたからだろう。それにメーカーとしての矜持もあるだろう。古い製品のコピーしか作らない会社なんて技術も意欲も無い会社のように見えてしまう。
 医療分野だけは違った。日々薬も進化しているが、薬を飲む人が進化していない以上古い薬でも十分なことが多い。それに薬は積み上げてきた実績が高く評価される。科学の粋を集めた新薬よりも漢方薬の方が口にしやすいのはそのせいだ。そんな土壌があったからジェネリック薬品は広く受け入れられるようになったのだろう。
 ジェネリック医薬品が受け入れられた結果、他の分野でもコピー品に対する抵抗感が薄らいだような気がする。それに景気が悪いことも重なって、同じ性能や能力だったらコピー品で十分というのが珍しい考え方ではなくなった。
 だから今、ジェネリックという言葉の裾野が広がっている。
 アイリスオーヤマや山善のような廉価家電メーカーのことをジェネリック家電と呼んでいる人がいる。これらの会社は期限切れ特許の活用だけじゃなくて、リストラされた技術者の活用もしている。知財と人材のジェネリックと言えるかもしれない。
 個人的には、プライベートブランドのお菓子をジェネリック菓子と呼んでいる。ぼくはセブンイレブンのチーズリングをカールのジェネリックだと考えている。本当はぜんぜん違うけれど精神的にはほぼジェネリック。
 言葉の使い方がドンドン雑になっていく。