カレンダー

2022/03
  
  
       

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

立ち読みに時代を見る

by 唐草 [2022/03/24]



 本屋で立ち読みをした。最近は電子書籍を買うことも増えたし、紙の本を買うとしてもAmazonを利用する。だから本屋へ足を運んだのも久しいが、それ以上に立ち読みはご無沙汰していた。何年ぶりの体験なのだろう?ここのログによると9年ぶりのようだ。
 本屋さんには本当に申し訳ないのだけれど、今日本屋を訪れたのは本を買うためではい。立ち読みが目的だ。端から買うつもりなんて毛頭なかった。
 先日、「ITリテラシーの授業で使える教科書を探して欲しい」という依頼を受けた。簡単そうなだが、責任重大な任務だ。ぼくの選択が何十人もの学生の半年を決定づけることになるのだから。
 本来であれば、自分が使っている書籍を紹介するべきなのだろう。あいにく自称情報強者のぼくの手元に初心者向けの本はない。だからと言って、Amazonで中身を数ページだけ確認した本を無責任に紹介するわけにもいかない。
 自分の目でしっかり中身を確認して教科書を選ぼう。でも、自分じゃ読まないので買う気はない。そんなとき助かるのが立ち読みだ。
 と言うわけで立ち読みをするためにだけに本屋へと赴いた。
 PC書籍コーナーに足を踏み入れるのは、前回立ち読み以来のはず。いい場所を陣取る本はがらりと変わったが、オライリーの本だけは変わらず動物のイラストで妙に安心した。
 PC書籍コーナーでは、大学生ぐらいのお兄ちゃんがネットワーク関連の本を熱心に吟味していた。きっと学生時代のぼくもこんな感じだったんだろうとおっさん臭いことをしみじみ感じていた。
 その向かいでは、小学生高学年の男子と母親があれこれ言いながら動画編集の本を比べていた。小学生男子の口からAViUtlだとかBlenderという単語が出るのが漏れ聞こえてきた。YouTubeデビューを目指す子供のために本を選んでいるのだろうか?PC書籍コーナーで小学生を見るのは初めての経験。この光景には隔世の感を感じずにはいられない。
 売れる本は時代を映す鏡だな。
 本の中身を確認するために立ち読みに行ったのに、気がつけば立ち読みする人々の姿ばかり追っていた。