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異変と再発

by 唐草 [2022/03/29]



 包丁で切ってしまった親指の絆創膏が取れるまで4週間もかかってしまった。「患部を直視したくない」と現実から目を背けたのが原因だろう。慎重さも重要だけれども、それを言い訳に目を瞑るのは臆病者のすることだ。
 初めの2週間は強力で肉厚なキズパワーパッド系の絆創膏を貼り続けていた。その後は普通の絆創膏を使っていた。取り替えていたとは言え、これだけ長時間貼り続けた影響が少し現れている。
 まず保護に保護を重ねていた指先の皮膚がかかとのように固くなってしまったこと。このせいで、かさぶたが剥がれて新しい皮膚に生まれ変わった患部とその周囲で皮膚の伸びがぜんぜん違う。だから指を動かすたびに患部が突っ張るような違和感が残っている。なかなか絆創膏を剥がせなかったのも、この違和感の正体を傷口が塞がっていないせいだと誤解していたせいもある。
 もう1つの異変は爪の伸び方。ずっとテープで固定していたので爪が前に伸びにくかったようだ。その歪は上方向に逃げようとしたようで、爪の生え際が不自然に出っ張ってしまった。爪が絆創膏を突き破るんじゃないかとワイルドな展開を期待していただけに残念な結果だ。
 もっとも大きな変化は、傷口が少しずれてくっついたこと。指先に妙な段差ができてしまった。その段差をなぞると今回の傷の大きさがよく分かる。見ていると痛い気がする。
 時間がかかったとは言え、化膿することも、再出血することもなく無事に治ってよかった。これで普段の生活に戻れる。
 と思っていたんだけど、まだダメだった。
 今日は冬の間使っていた厚手の布団を手洗いした。大量の水を吸って死体のように重く不定形になった布団を力いっぱい絞っていたときだった。指先にチクリと痛みが走った。見ると傷跡の段差が赤くぷっくり膨らんでいた。どうやら指先に力を込めすぎたせいで、内出血したようだ。
 まだ完璧には肉がくっついていなかったのか。油断大敵だ。自分の振る舞いをセーブするために、もうしばらく絆創膏を貼っておくか。