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後悔のBluetooth

by 唐草 [2022/05/30]



 ぼくはあまり無線通信を信用していない。それでもWi-Fiを使っているのは、今の時代避けられないという切実さ故ではない。規格で通信衝突回避などのエラーへの対応が定められているからだ。つまり、Wi-Fiは初めから不確実だという前提で作られているとも言える。
 だからWi-Fi(正確にはIEEE802.11系)だけは認めている。
 でも、他の規格のことはよく知らない。エラーが起きても、ぼくの使い方が悪いのか、はたまた通信規格が悪いのか特定できない。不確実さを認めるWi-Fiの潔さと違って、ぼくは自分のミスを簡単には認めない。だから口癖のように「無線が悪い」と毒づいているのである。
 特にBluetoothとは距離を置いてきた。Bluetoothは、15年以上前のVer.2.1時代にひどいヘッドセットを掴まされたことがある。その苦い経験から蛇蝎のごとく嫌っていた。高性能と評判のApple純正のワイヤレスマウスとキーボードさえ使わない。PCデスクにあるマウス、キーボード、マイク、イヤホンのいずれも有線だ。
 どうしてもワイヤレス機器を使わなくてはならないときもBluetoothではなく、ワイヤレスUSBとして有名な「​​2.4GHzワイヤレス接続」を選んできた。それだって苦虫を噛み潰したような顔をして使ってきた。
 そんな頑ななぼくにも変化の兆しが見え始めている。自分の間違いを認めざるを得ないような窮地に立たされているとも言える。
 ありとあらゆるPC周辺機器を有線で揃えていたらUSBポートが足りなくなってしまったのだ。それに気づけばBluetoothもVer.5まで進化していた。ぼくの使っていた頃とは性能がぜんぜん違うらしい。
 というわけで、手持ちの機器を少しずつBluetoothで無線化していこうと考え始めた。その矢先、去年組んだ自作PCにBluetoothが搭載されていないことを思い出した。
 去年のぼくは古い記憶に縛られ技術進化を見逃していたにも関わらず強気に「Bluetoothなんてゴミだね」とうそぶいていた。あぁ、去年の自分を殴りたい。