カレンダー

2021/05
      
     

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

雑談に潜む危険

by 唐草 [2022/08/17]



 雑談って簡単なようでいて難しいことの1つ。少なくともぼくのようなコミュ障っぽい陰の側の人間には、相当手強い存在。無理して喋ってグダグダになって就寝前に脳内反省会を開くようなことも少なくない。だったら、黙ってぎこちない空気に数分耐えるほうがマシだ。
 ぼくのように雑談を苦手としている人は少なくないようだ。ビジネス雑談テクニックのような書籍も数多く出版されているし、ネットにも数多くのテクニックが紹介されている。とは言え、これだけ多くのテクニックが流布しているということは決定打たるテクニックが存在しないことの裏返しでもある。
 やはり雑談は誰にとっても難しいのだ。
 よくある雑談テクニックは「相手に興味を持とう」というものだ。好きな食べ物を聞いてみるなんていうのがよく紹介されている。確かにぼくは相手にほとんど興味をいだいていないので、何かを聞いてみようなんて考えは微塵も浮かばない。コミュ障がコミュ障たる所以だ。
 相手が「〇〇が好き」と答えたら「自分も〇〇が好きです。オススメのお店とかってありますか?」と言う感じにポジティブに自分の情報も開示しながら、質問をしていくのが良いらしい。
 だが、これには欠点もある。相手もコミュ障だったらボールは返ってこない。また、自分がコミュ障だと好きでないものを返されたら「そうなんだ…」で会話は終わる。また、質問ばかりして面接のようになって相手はウンザリしてしまうだろう。
 ぼくにはもっと簡単な会話の入り口が必要なんだ。
 更に簡単なのが家族やペットの近況を聞く話。「奥さん、元気ですか?」みたいな会話だ。とても無難な会話で失敗のしようもなさそうに思えるが、過去にこれで核爆弾級の地雷を踏み抜いたのを見たことがある。
 両者は3年ぶりぐらいに仕事で会ったらしいのだが、その間に奥さんが事故で亡くなっていたという悲痛なことが起きていた。もう、なんかやばかった。周囲は凍りつくし、フォローもできない。
 こういうことを目の当たりにすると簡単には口を開けなくなる。だから、ぼくは今日も天気の話だけをする。