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幻の国民的マンガ

by 唐草 [2022/08/25]



 先日、ネットで「パンを咥えた遅刻しそうな女子高生が、曲がり角で男子にぶつかる」というシチュエーションの元祖はなにかという議論を目にした。少女マンガの導入として知られるおなじみの展開の元ネタ探しである。
 今では当たり前の”もの”や”こと”にも発明した人がいる。静かさを示す擬態語の「シーン」の初出は手塚治虫のマンガだと言われている。いまでこそ「シーン」なんて言葉は小学生でも知っている。よく考えてみれば音がないことを言葉で示すというのは、コロンブスのたまご的な発想の逆転が必要。浸透しすぎて何とも思わず使っているが、天才的な発想が生んだ言葉と言えよう。
 さて、誰もが知る少女マンガ的な展開を生んだのはどの作品か?
 結論から言うと、パンを咥えて激突という展開を既知の概念にした少女マンガは無いそうだ。このシチュエーションが広く知られるようになってからはパロディ的に採用する作品が増えたようだが、どれも後追いでしか無い。
 このシュチュエーションは、少女マンガにありがちな展開を詰め込んだマンガを作るというギャグから生まれたものらしい。つまり、マンガ本編で実際に描かれたことはない。議論の中で元ネタとなったギャグマンガも紹介されていた。でも、マンガに明るくないぼくはその作品も作者も知らなかった。
 それなのにこの概念がこんなにも広く浸透したのはどうしてなのだろう?
 これってなんだか「マンデラ効果」に似た現象に思える。マンデラ効果というのは、存命中なのにネルソン・マンデラ元大統領が既に亡くなっていると勘違いする人が多数いたことに由来する現象。事実と異なる認識をする人が多数いる状況を指すネットスラングだ。都市伝説の一種とも言える。
 日本で有名なマンデラ効果は、映画『千と千尋の神隠し』に幻のエンディングがあるというものだろう。
 「パンを咥えた遅刻しそうな女子高生が、曲がり角で男子にぶつかる」という展開で始まる少女マンガがどこかに存在するはずだ。ちょっとしたギャグがありもしない架空の国民的有名少女マンガを生み出してしまった。これってマンデラ効果の一種って言って良いんじゃないだろうか?