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Videoタグ

by 唐草 [2022/09/06]



 この数年、背景にドーンと大きな動画が貼られているWebページが増えている。20年近くWeb業界に関わってきたが、動画の扱いの変化には驚きが隠せない。動画といえばPCにも回線にも「重い」もので避けるべきものだったのに、今や背景の一部かよ。
 動画がホイホイと気軽に使えるようになったのは、ひとえにHTML5の功績だろう。HTML5で導入されたVideoタグのおかげで、画像を貼るのと同じように動画をWebページに掲載できるようになった。
 また、回線の高速化の寄与も無視できない。いくら手軽に利用できるようになったとは言え、ダウンロードに数分かかるようだったら誰も動画を望まないだろう。
 新時代を見据えたHTML5という規格と4G/5Gや光回線という高速回線の普及が両輪となって動画を多用する新しい時代のWebページを普及させたことに異論を挟む人はいないだろう。
 と「新時代の幕開けは必然だ」というようなことを書いてみたが、実は本音とは少しずれている。古い人間なので背景に動画を利用しているWebページを見ると新鮮さを感じるだけでなく、技術的に色々と思うことがある。
 何も昔にQuickTimeやRealPlayerなどのプラグインに悩まされたことやFlashが亡き者となったことへのグチを言いたいわけではない。これらのプラグインから解放してくれたHTML5には感謝しているのは偽りのない本音だ。
 でも、受け入れがたい側面もある。
 今日見たWebページに貼られていた動画は10秒の短いものだった。だが、その容量は3.1MBもあった。長さに対して容量が大きいのは、動画がFull HD規格だったからに他ならない。
 容量と解像度の両方に驚いてしまうのが、ぼくが古い人間である何よりの証拠。そうは分かっていても、昔取った杵柄ではないが、1byteでも削ろうと努力していた昔の経験が現状をすんなり受け入れることを拒否している。
 職人芸的なスキルで容量を極限まで削っていたが、あのスキルが今ではほとんど無用の長物かと思うと少し悲しい。阿部寛のホームページを見て古のスキルを懐かしもう。